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▼ 坂田と妙と灰色

お土産です、と妙が差し出したのは灰色のマフラー。なんでマフラーと思わないでもない。

「安売りしてたんです。せっかくだから銀さんにもと思って」

妙がにこりと笑う。確かにダークマターを差し入れされるよりいい。使えるし、身の危険がない。

「色は髪の色と同じにしたんです。テレビで、髪の色が自分に似合う色だってやっていたので」
「俺の髪と違うじゃん。俺の髪は白だから、正確には銀だから、くすんでねえから」
「うーん、でも似合いますよ。それに白と銀を足したら灰色っぽいですし」
「白も銀もなかったって素直に言えやコノヤロー」

妙は笑っただけで何も言わなかった。そしてまた袋に手を突っ込む。

「これが新ちゃん、こっちが神楽ちゃん」

黒と桃色のマフラーが机に並ぶ。柄は銀時のと同じ。どうやら色違いらしい。

「なにこの仲良し親子みたいな感じ。外で着けるの恥ずかしいんですけど」
「大丈夫ですよ、これくらい」
「なにが大丈夫だよ」
「いえ、だって・・・」

と、妙は袋からマフラーを取り出し、銀時に見せた。

「私のは色も模様も銀さんと同じですから」

灰色のマフラーがもう一つ。柄も銀時の分と渡されたマフラーと同じだ。

「灰色だけたくさんあったんですよね。黒もピンクも一つずつしかなかったから、じゃあ私はこれにしようかと」

くるくると首に巻いて、似合います?と首を傾げる。桃色の着物が動けば、黒髪がさらりと揺れる。

「似合うんじゃねーの」

銀時の投げやりな言葉に妙がにこりと笑う。

「銀さんも似合いますよ」

手に持った全く同じマフラーを見やり、銀時は「そりゃどーも」と溜め息を吐いた。手触りは悪くないから、わざわざ買ってきてくれたのだから、仕方ねえから雪の日にでも使ってみようかね、と思いながら。

「お前、雪降ったらそれ使うなよ」
「当然これを使います。新ちゃんと神楽ちゃんも使います」
「マジでか」

どこの仲良し家族だ。


2014/11/21

雪の日にはお揃いのマフラーをした四人と一匹が町を練り歩いてるそうです。
定春の分もと思ったけどワンちゃんにマフラーは邪魔かもなーと。


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