ワオ!2013妙誕記念アンケート! | ナノ


▽ 高→妙で、高杉にさらわれた姉上+万斉+心配する万事屋


唐突に鳴った物音。妙は弾けるように顔を上げた。誰かがそこにいる。

「・・・だれ」

嫌な予感がする。震える手を握りしめながら相手の返答を待った。
不意に動いた影はゆったりと妙に寄るが、逆光でよく見えない。じっと見られているのは分かる。
笑った気配があって、男は何かを取り出した。気になりそれを見ようとすると強引に顎を掬われ、避ける間もなく唇を塞がれた。反応できぬまま侵入してきた舌で口内を撫でられ、同時に何かを注ぎ込まれる。嫌だと抵抗しようとすれば顔をおさえつけられ、無理やり飲み込まされた。喉を流れていく液体。薬のような匂いが鼻をぬける。溢れた液体を拭うこともできず、そのまま意識が遠退いた。



「アネゴが見つかったて本当アルか!?」
「ドア壊れんだろーが!!ったくよお・・」

飛び込んできた神楽に怒鳴りつつも、銀時は写真を見せる。

「似た女がいたっていう段階だがな」
「・・・・アネゴだ」

銀時から奪い取った写真を食い入るように見つめて、神楽が呟いた。ほんの一瞬だけ泣きそうになったのを、銀時は黙って見逃してやる。

「・・・新八は既に聞き込みに向かってる。俺らも行くぞ」

神楽の頭をぽんぽん、と優しく叩く。腕でごしごしと涙を拭った神楽は、ぐっと表情を引き締めて銀時を見上げた。

「絶対にアネゴを見つけるアル。アネゴが帰って来たらみんなで鍋するネ!!」
「おう、肉いっぱい買おうぜ。ゴリラの金で」
「デザートにアイスも買うアル!」

久々に笑った可愛い妹分に、銀時もまた久しぶりに笑みを浮かべていた。



ここから逃げ出すにはどうすればいいだろう。そればかり考えている。

「起きたでござるか」

聞き慣れた声がした。視線を流せば、サングラスをかけた男が手に何かを持って部屋に入ってきた。

「・・・万斉さん」

この男は妙の世話係だ。基本的に何でも揃っている部屋に、食事や着替えを運んでくれる。妙はここに閉じ込められてから、この万斉にしか会っていなかった。
万斉はほとんど手をつけられていない食事を一瞥し、何も言わずに新しい皿と交換する。

「私はいつ不要になりますか」

小さな窓から見えるのは小さな世界だけ。

「あの人はまだ私に飽きませんか」

妙をここに押し込めた張本人。薬で眠らせた妙を知らぬ世界に閉じ込めた男。
理由は一つ。
『利用価値があるから』

「───今夜帰って来る」

万斉が淡々と告げる。

「だからもう逃がしてはやれん」
「逃がしてくれようとしたことがありましたか」

妙が微かに笑った。

「・・・こういう事は、拙者は好きではござらん。利用するためとはいえ年端もいかぬ女をさらって閉じ込めるなど・・・アイツらしくもない」
「・・・でも、逃がしてはくれなかった」

妙の髪を誰かが撫でた。相手は一人しかいないのに、そう思いたくなかった。自分をさらって閉じ込めた男の仲間に、僅かにでも心を動かされたくなかった。

「髪は弦とは違うでござるな」

万斉はたまに三味線を弾いた。見た目とは違い、穏やかな日差しのような音色。壊れそうな心が正気を保っていられたのは、確かに彼のおかげだった。

「また弾いてくださいませんか。あの曲がいい」

妙は目を閉じる。引き離された笑顔を想って。



姉が消えた。
ある日突然、痕跡も残さずに消えたのだ。

「ありがとうございました!!」

新しい情報に新八の声が弾けた。姉のことなら些細な情報でも嬉しい。急いで上司に連絡する。

「銀さん新情報だよ!!反物屋のおじさんが姉上に似た人が来たって!多分いなくなった日だと思う」
『そうか、なら俺らもっ、おい!』
『今から私も行くネ!』
「神楽ちゃん!!分かった、僕はまた聞き込みしてくるから!!」
『ぱっつあん張り切りすぎてしょべんチビるなよ』
「しませんよ!・・あ、定春ならこっちに来てます!銀さん達も早く!!」

電話をきり、勢いよく走り出したところで写真を落としてしまい立ち止まった。拾い上げ、ついた砂を払う。若い女の後ろ姿。顔は見えない。だが、新八は確信していた。何年見続けてきたと思うのだ。自分が姉を見間違えるわけがない。

「姉上・・・待ってて」

泣くのは後だ。泣いたって姉は帰って来ない。
新八は思いっきり鼻をすすると、眼鏡を外し乱暴に目を擦る。

「よし!!」

新八は気合いを入れ直し、また雑踏の中へと駆け出した。



殺された方がましだった。でも生きていたかった。

妙は何度か瞬きをする。ぼんやりとしているが、見えないというほどではない。
身体はだるく動かしづらい。冷たくなった脚を擦り合わせたとき、自分が裸なことに気付いた。胸元に手をやり、ゆっくりと起き上がる。

「つ・・・」

下腹部が痛い。中も外も、鈍痛が響く。動いた拍子にどろりとした何かが自分の中から流れ出した。その違和感に心が冷える。

「起きたのか」

剥き出しの下腹部に回された手。長い指、ごつごつとした男のもの。

「初めてにしちゃあ上出来だな」

クツクツと笑う声に記憶が甦る。脱がされた着物、塞がれた唇、笑う男。

「・・・私をまだ殺しませんか」
「殺さねえよ」
「利用価値があるから?」

片目を包帯で隠した男はそれには答えず、妙の腕をとり引き倒す。

「今は俺を楽しませろ」

ここは妙に与えられた檻だ。逃げ場はない。
殺された方がましだった。でも、生きていたかった。
また会うために。大切な自分の居場所で、大切な人達と笑い合うために。どんなことをされても、生きていたかった。


また会うために



万+高→→妙+万事屋
このネタ美味しすぎる。
高杉は姉上を利用するという口実の元、連れ去ります。万斉は後で知らされ、妙が閉じ込められている部屋の管理を任されてます。ここは高杉と万斉以外は知らない場所です。部屋というより小さな家です。着替えや食事は万斉が運びます。他に知らせていないのは情報が漏れるのを防ぐため。万斉は少しずつ妙に情が移りますが、それをすれば自分はともかく妙の身が危ないと本能的に悟り傍観するしかない状況。

この状況で万×妙になったら泥沼すぎる!


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