▽ 坂田の無自覚片思いにお登勢さんの助言
「───はあ?俺がお妙に惚れてる?」
銀時の呆れた声がお登勢の店に響き渡る。
「はっ、なんだそりゃ。んなわけねーだろ」
銀時はくだらないとばかりに鼻で笑い飛ばし、注がれたばかりの酒をあおった。
「あれだけあからさまで無自覚かい。いい歳して気持ちが悪いね」
煙草をふかすお登勢は至って冷静に銀時を見やる。
「アンタのあれは、好きな女をいじめたい餓鬼と同じだよ」
「俺の方がいじめられてんだよ」
「アンタが先に煽るからだろ」
「で?そんなことで殴られたり蹴られたりすんの?割に合わねえわー」
「じゃあ止めたらいい」
煙草を片手にお登勢がにやりと笑う。
「お妙に構うのを止めたらいい。あの娘は理由がなきゃ手を出さないよ」
銀時は口を開きかけたが、結局そのまま無言で酒をあおった。
言い返したくても、なぜか何も出てこない。上手い返しも言い訳も。
「・・・あんなゴリラ女のどこがいいんだよ」
ほとんど白状してしまったような台詞に、お登勢が目元を和らげた。
銀時(→→妙)+お登勢
いい大人の無自覚片思いってめんどくさいですね(笑)
お登勢さんは銀さんに普通の幸せを全うしてほしいんだと思います
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