▽ 銀八先生と妙ちゃんとパソコン
「なにしてるんですか」
ネクタイも外し、Yシャツも脱いで、銀八は着慣れた部屋着で机に向かう。
「調べもん」
「そういうことしてると先生っぽいですね」
「先生だからな」
銀八は表情を変えないまま、開けたばかりの発泡酒をあおる。つけっぱなしのテレビから少し前に人気だったお笑い芸人の声が聞こえていた。あーアイツの名前なんだっけ、などと思いつつ視線はディスプレイを映したままに。
「先生、お茶は?」
「いらねえ」
「お酒ばかりだと体に悪いですよ」
「そんときゃ志村に面倒見てもらうから」
「またそんなこと言って」
クスクスと笑いながら、志村妙が銀八の肩に手を置いて覗き込んだ。
「見ていいですか」
「どーぞー」
髪が触れる、肌が温かい、女の匂いだ。銀八は反応しつつある己の下半身を恨んだ。馬鹿か、とたしなめてみても効果はない。当たり前だ、好きな女相手に欲情しない方がどうかしてる。それがどんな立場であっても、本能は忠実に反応を見せた。
「───銀八先生」
「んー」
「これ、調べものですか」
「あーねえ」
低い声の妙がパソコンのディスプレイを指差した。が、銀八は上の空で適当な返事をするばかり。気になるのは画面の向こう側ではなく傍らにいる女。背中に微かにあたる柔らかな膨らみとか、耳元をくすぐる声とか。
「調べものって言うから、てっきり学校関係かと思ってました」
「学校関係っちゃあ学校関係だけどな」
「共通点はセーラー服だけですけど?」
「いやいやそこ大事じゃん。これなら学校で見ててもバレねえからね。まあ、女子高生役がハタチ越えてるのがバレバレだけど」
「告げ口しようかしら」
「なんて」
「銀八先生が学校でいやらしいサイトを見てますって」
「見てるだけだろ?するのはちゃんと家に帰ってからだから問題ねえな」
スカートの裾から伸びる太股に手を這わす。弾力のある肌は白いが健康的で、志村妙が健全な女子高生なのだと分かる。そりゃそうだ。志村妙は銀八の教え子なのだから。絶対に手を出してはいけない存在。なのにこうなってしまった。
「志村。しよっか」
すでに手はスカートの中へと侵入し、その先へと進もうとしている。
「先生、でも明日、」
「明日なに」
「体育があるから・・・」
「痕つけるなって?」
銀八の膝の上に座らせられた妙が頷く。学校では見ない顔。銀八だけが見る志村妙の別の顔。
「志村が可愛くおねだりしてくれたら考える」
耳元に寄せて囁けば、頬に柔らかな感触が押し付けられた。
2013/11/02
銀八先生の自宅で密会。
先生はアパート暮らしっぽい。妙ちゃんとは家デートが多いとかいいね!
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