こちらは短編「かくれんぼ」の続きです。






みっけ。






 どれくらい泣いていたんだろう。もう涙は止まっていた。声も落ち着いて、しゃくりも出なくなった。

(高野さんに、お礼言わなきゃ)

 俺は高野さん家に向かうため、先程脱いだ靴をもう一度履いた。

 会いに行かなきゃ。
 急いで行かなきゃ。
 今度はちゃんと言わなきゃ。
 ありがとうって、言わなきゃ。

 鍵を開けて、ドアを開けると。もういないと思っていた彼がまだ、俺の家の前にいた。

「な、んで…?」

 あまりに驚いて、俺は動けなくなった。けれど、高野さんとの距離が0になって。
 抱き締められたんだってわかったとき、いつもは恥ずかしいのに、今はすごく嬉しくて。

「みーつけた」

 高野さんとは悪戯っぽく笑うと、俺を抱きしめる腕に少しだけ力を込めた。
 それに応えるように俺は、高野さんの背中に腕を回し、高野さんの服をぎゅっと握る。

「律」

 高野さんが名前を呼んだので、ゆっくりと顔をあげる。少しだけ見つめあって、どちらからともなくキスをした。 結局、お礼は言いそびれてしまった。



 だから俺は、高野さんの腕の中で、小さく呟いた。









 







 ありがとう



 でも、もう少し




 このままでいさせて?










 なんかいろいろグダクダでごめんなさああぁぁぁああい!!(スライディング土下座)



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