それは突然やってきた
そして、リボーンが離れていった数日後気付けば獄寺くんもいなかった。
いつもは朝玄関へ出ると待ってくれていたのに、その日は山本だけだった。


「あれ?獄寺くんは?」


山本にそう聞いても山本は知らないと答えるだけだった。
疑問に思ったけれど、何か用事があったのだろうと気にせず学校へ向かった。

学校に着いて教室に入ると中は何やらざわざわとしていて、クラス中の視線を集めているのは獄寺くんだった。


「…あ、沢田…あいつ、どうにかしてくれよ。何かずっと機嫌悪そうでさ…クラスの空気も悪いんだ。なんか知らねえけど、お前の言うことなら聞くんだろ?」


どうやら獄寺くんは少し前に来ていたらしく、それからずっと不機嫌そうに顔を顰めたまま席から動かないらしい。
その様子はまるで、オレを10代目と呼び慕ってくれる前の獄寺くんのようだった。


「ご、獄寺くん。おはよう。今日はどうしたの?先に行くなら言ってくれれば良かったのに」


オレはいつも通り声を掛けたつもりだった。
いつものように笑顔で言葉を返してくれると思っていた。
けれど、その通りにはいかなかった。


「オレに話し掛けんじゃねえ、裏切り者」


返ってきたのはまさに昔に戻ったような、軽蔑混じりの返答だった。


「…え?裏切り者って…、」


「お前には失望した、お前を10代目と呼び慕ったオレが馬鹿だったぜ」


獄寺くんはそう言うと座っていた椅子から立ち上がり、机を蹴り飛ばすとその場から去っていった。

周りの皆はその様子にしんと静まり返り、そんな教室には始業のチャイムが響いていた。

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