狂い愛(1/2)


夕暮れに染まる室内に、高い悲鳴が響く。


それは艶然と笑む男に押さえつけられ、ベッドの上であられもない姿を晒す女のものだった。


彼女が身に纏っていたショートドレスは脱がされかけ、胸を覆っていた下着も最早その意味を成していなかった。


せめてもの抵抗にとタイで縛られた手首を動かすも、きつく結ばれていて少しも解ける気配はない。


ろくな抵抗もできないまま、リリィは彼の与える刺激に悶える。


「もうやめて……お願い……」


震える声で懇願し、涙を流す彼女の瞳に唇を寄せると、男はその涙を啜った。


「君は僕のものだ。その声も、瞳も、唇も……この涙も、何もかもすべて」


恍惚とした表情でそう告げると、ロベルトは彼女の下唇を舐めた。


抵抗するようにきゅ、と結ばれる唇を食むように甘噛みし、ねっとりと舐め上げて強く吸う。


与えられる刺激にか細い声が漏れれば、その隙を逃さず彼は舌を割り入れて彼女の口内を犯した。


「ん、ぅ……」


歯列をなぞり、上顎をくすぐられ、リリィは身をよじる。

逃げる舌を絡め取られて吸い出されれば、意思に反した甘い声が唇からもれる。


「は……ぁっ」


狂ったように深いキスを続けるロベルトの手が、彼女のむき出しの肌の上を彷徨う。


しっとりと上気した肌に手のひらを這わせれば、吸い付くような感触にロベルトは微笑む。


彼女の肩の辺りを撫でていた手が、するすると胸の方まで滑り、そのふくらみを愛撫し始めた。


「リーリア、君は嘘つきだね。やめてと言っておきながら、ここはほら、こんなに」


キスを中断したロベルトは、言いながら彼女の胸の硬くなった部分に触れた。


瞬間、身体を甘い痺れが駆け抜けて、リリィは背を弓なりにしならせ腰を浮かせる。


「そんなに敏感に反応して……触れてほしかったなら、はじめからそう言ってごらん?」


リリィは再びもれそうになる声を唇を噛みしめて耐える。

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