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本編

2 /6 人類は革命を望んでいる。

誰もが誰かの下部であり、誰しもが何かに囚われる。
我々に課せられた使命、(いや、死命かー)は絶対的な言葉の力によって我々を束縛する。
何がどうしてどうなって、何故にして我々が束縛されるのか、我々の知り及ぶところではない。
下々の者はゴミか何かの用に使い捨てられ、道具のように量産される。
壊れれば捨てられ、維持費のように安い給料を払われる。
そんな世の中を変えようとして起こる戦争。
人同士で行う恐ろしい程のゾンビのような殺し合い。
大きな軍事力のぶつかり合いは最早戦争ではない。
只の殺し合い、いや、人類の叡智のぶつかり合いだ。
痛みも感じず、恐怖も感じないゾンビのぶつかり合いはなんというか、凄く次世代型の机上遊技(ゲーム)のもうだ、ともいえる。
上層部は何時の時代も比較的安全な所で高見の見物と洒落込むものだ。
しかし、これからの戦争は、より開発費用の掛かった生物兵器、(ここで云うところのゾンビとは違う)による直接的な攻撃による戦況の展開を試みる。
開発費用の掛かった生物兵器というのは、まぁ云うところの上層部の人間に当たるわけで。
つまり生物兵器は比較的高い地位についている。
下々の人間は、生物兵器ではない。
痛みを感じないゾンビであるだけだ。
そんな人間同士の戦いの時代に華を添えたのは、世界一と唄われる生物兵器。

自ら望まない民意に従うことはない。
完全に国家から独立した個人機関。
世界に二つしか存在しないと云う生物兵器。
傲慢、高潔、健康体で長命。

この軍記はそんな生物兵器たちの物語。


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