それはあいですか? | ナノ


▼ いいえ、単なる淫売です

ぐじゅ、じゅ、



「ん、んむ、ん、ンん.......っ」

「好き......好んで、やることではあるまい」

「ぷあ、せんせー、気持ちよくない?」




涎と先走りで生々しく光る口を歪に曲げながら、紗奈は未だに固い男根に手を伸ばした。



夕日の色が部屋を染めるような時間、外ではまだ部活に勤しむ学生の声が響いているというのにも拘らず、この子娘は一体何のつもりなのか。
と言う疑問を持ったのも何週間か前。2カ月は続くこの状態を、曹操は疑問に思うことを放棄した。



「へへ、せんせーの固いし、おいしーよー?」



間延びした声で笑い、再び口に含んだそれを丹念に舐めまわす紗奈を、椅子の手すりに頬杖を突きながら見下ろす。
数回嘔吐きながらも喉の深くまで突き刺して、的確に性感帯を突く紗奈の舌がちろりと誘うように口外に現れた。



「ん、んん、ふ、」

「........くっ」

「ん、んんぐっ」


男根から勢いよく飛び出た白濁を口の端から漏らしながらも飲み込む紗奈は、恍惚とした表情を浮かべながら役目を終え姿を変えるそれを愛おしげに一撫ですると、何とも曖昧な表情で笑いながら一言、



「ごちそーさまでーした」





そう、お礼を言うのが常だった









紗奈は世間一般で言う所の売女のような人間である。ビッチ、援交女、様々に綽名される彼女の生活はほとんど相違ない物であったし、自身も認めるところであるため、当然彼女には嫌な噂や悪評がついて回る。
そんな彼女が意識的にか無意識的にか、幸か不幸か目を付け足蹴もなく通い始めたのは自らの通う学園の理事長曹孟徳その人である。
空気は読めるほう、そう言った通りか彼女の通い先は他の誰も知らない。それをいいことにほぼ毎日通ってくる紗奈を曹操は特に追い払うでもなく迎合するでもなく、ただひたすらなすがままに放置していた。





「せんせ、」

「何だ」

「嫌だったら何時でも言ってねー」

「そうか」





一仕事終わった後、空が暗くなるまでの小一時間、カタカタとパソコンを叩き始める曹操の足にしがみ付いてぼんやりするのがどうやら紗奈にとっての至福の一時らしい。ほんわかと嬉しそうな笑みを浮かべながら、一切自分に目を向けることのない曹操の膝に頭を寄せて、意味のない言葉であったり簡単な問いかけであったりを数個ポツリポツリと零した後、紗奈は「じゃーね」と呟いて理事長室を後にするのだった。



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