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「最低!バカ!変態!」
「ひ、姫様、私は大丈夫ですから…!」
「クリフトに手出すなんて!信じらんない!」

痛い。全身が余すところなく痛い。
クリフトにしてみれば藁にも縋るような思いだったのだろう。声色からそれを察知したらしいアリーナは、最初から最後まで本気だった。今だってクリフトが止めていなければ多分攻撃をやめていない。
何もされてませんから、大丈夫ですから、とクリフトが繰り返すとチラリとこっちを見て、不満そうな表情を浮かべながらも部屋を出て行った。御丁寧にも「何かされそうになったら呼んでね!」と念を押して。

「だ、大丈夫ですか……?」
「な、何とか…」
肌蹴た服を手で押さえながら、クリフトがベホイミを唱えた。大分和らいだとはいえ依然として残る痛みに顔を顰めながら立ち上がると、開け放されたままのドアを閉める。ついでに後ろ手に鍵を閉めて、クリフトに向かって微笑んだ。生憎これぐらいで諦める気など毛頭ない。腫れが引かない頬に再度ホイミをかけて、向こうが抵抗するより早くベッドに縫い止める。

「なあ。続き、してもいい?」

据え膳食わぬは何とやら、だ。

怒鳴られたってめげないで





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