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「だ、駄目です……」
アリーナの介入や瀕死状態を経てやっとのことでこぎつけたにも関わらず、続きをしてもいいか訊ねた結果がこれである。即答だった。断るところじゃないだろう、そこは。しかし、ふるふると首を振るクリフトは耳まで真っ赤になっている。色々と限界のようだった。
だからと言って、この状態でおあずけは、ない。

「…そんなに、嫌か?」
思いの外沈んだ声が出た。自分で思っている以上に先程の拒絶が堪えたらしい。あからさまに声のトーンが落ちたのを感じ取ったクリフトが「その、ソロさんが嫌とか、そういう訳では、ないんですが、」と言葉を区切って、顔を背ける。暫くしてから、こちらを窺うようにして口を開いた。

「は、恥ずかしい、から………」
何だこの可愛い生き物。本当に年上なんだろうか、と思わず天井を仰ぐ。蛍光灯の明かりが目に眩しかった。沈んでいた気分が浮上していく。
「ですから、その、ソロさんが嫌な訳では、」と弁解を続けるクリフトの口を強引に自分の口で塞ぐ。歯列を割って舌を突っ込んだ。
上手く呼吸ができないのか、口が離れた瞬間にくたりと体から力が抜ける。空いた手で浅い呼吸を繰り返すクリフトの髪を梳くと、気持ちよさそうに目が細められた。顎を伝って首筋、鎖骨へと舌を滑らせていく。滑らかな白い肌に吸い付くと、ビクリと体が跳ねた。

もう抵抗はされなかった。

いやよいやよもすきのうち!

(120105)



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