四天と雪遊び


「部長、寒いです。外めっちゃ降ってます」
「寒いな、降ってるな」
「俺こんな日にまで部活したくないです」
「いゃしかしなぁ」
「なぁなぁ白石」
「なんや金ちゃん」
「わい外で皆と一緒に遊びたい」
「却下」
「むっなんやねん財前。何であかんねん」
「この寒空の下外で遊ぶとか、それこそやってられへんわ。こんな日にはしゃぎよるんは、犬かお前くらいや」
「わい犬ちゃうで」
「犬やろ、『犬は喜び庭駆け回り』って歌とるし」
「ほなら財前は猫や」
「別に俺は猫でも構わんわ」
「ストップ喧嘩はやめぇ、時間の無駄や」
「時間のって、やっぱやるんすか練習」
「そら今は部活の時間やし、何かやらなあかんやろ。まぁこの様子じゃボールを使った練習は無理やろうから、今日は基礎練やな」
「「えー」」
「文句が有るなら毒手やで」
「わっ待った毒手はいやや」
「………ちっ」
「ほなさっさと着替えぇ」
「ちぃーす」
「おー謙也、委員会お疲れさん」
「おぅ、あれまだこんだけしか集まってへんのか」
「皆委員会議、長引いてるんかもな」
「ふーん。あっ、さっき此処来る前にオサムちゃんに会うてな、今日の練習は雪合戦やて」
「はぁ?」
「ホンマ」
「金ちゃん、相変わらず寒々しいかっこやな」
「もっと着込まなアカンで」
「謙也それホンマ」
「おっ?雪合戦か?」
「おんっっ」
「オサムちゃん曰く『今日はまともな練習出来んから、雪で遊べ』やて」
「無茶苦茶やな」
「部活出てくるんが嫌なんちゃいます。寒いから」
「そんな事……有るかもな」
「はぁ。まぁええわ。軽くランニングしたら、雪遊びや」
「やったー」
(ちゃっかり練習メニュー組み込んでる)
(遊びやのにちゃんと準備する辺り流石完璧白石部長や)


「いくでぇ超ウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐〜!!」
「いやー金太郎さん、それ反則やわ」
「危ない小春、どわっ」
「ユウ君。馬鹿何でアタシの身代わりになんか」
「ははっ……小春が無事なら…ええわ……バタリ」
「ユウくぅぅぅん」

「普通に雪合戦せいやーっっ」

「「そんなつまらん事できんでしょ(やろ)」」
「ねぇ」
「なぁ〜小春」
「……もぅええわ」
「次は謙也やっっ!!超ウルトラ〜」
「ちょ待った金ちゃん。本気出したらあかん。だぁ」
「ユウ君」
「いくよ小春」
「「らぁぶぅ」」
「お前らもか、へぶっ」
「よっしゃ銀さんどんどんいくで」
「ふんっっ」
「いっいや、やめお前ら。あかんあかん。白石その量あかん」
「銀さんの波動球に倣って108個作ったで」
「こんなとこまで完璧か!?あかーんっっっ」




「あっちは賑やかたいね〜」
「皆犬や。……ところで何作ってるんすか、それ」
「等身大雪トトロたい。むぞらしかぁ〜」
「…………」


『四天と雪遊び』


← |

back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -