気になるセリフ(ルサ)


いつものあの秘密基地で。
クッションに座って、ボクは裁縫、サファイアはエネコ型のテレビを見ていた。




「ねぇ、サファイア」





ボクは裁縫をする手を動かしながらサファイアに聞いた。

「何ね?」

「あのさ…」

「?」

「マボロシ島で目が覚める前に、ダイゴさんに会ったんだよね?」

「うん…それがどげんしたと?」

「ダイゴさんに『運命感じた』って言わなかった?」

ちらり、とサファイアの顔を窺う。

「うん。言ったったい」

「どういう意味で言ったの?」

そう言って、裁縫をする手を止めてサファイアに向き直る。


「どげな意味で…」

う〜ん…と言いながら、難しい顔をしてサファイアは考え始めた。


もし…

もし、サファイアがその言葉通り"運命の人"と感じていたらどうしよう…



なんてコトは考えてはいなかった。

ただ、ちょっと弄ってみたくなった。



「恋愛感情…とかじゃないよね?」


「な…っ!違うったい!!」

驚いた顔でぶんぶんと横に顔を振っている。

「だってあたしの…あたし…の…」


耳まで真っ赤にして俯きながら、サファイアはごにょごにょと何か言っていた。

「あたしの?何、サファイア?」

ボクは微笑みながら聞いた。


「あ…えと…その…っ」


「ねぇ、教えてよ?」
「…っ!」


近付き耳元でそう囁くと、サファイアはビクッと小さく肩を震わせ、恥ずかしさのせいか、涙目でボクを見つめている。


「あん…なぁ?」
「うん」


サファイアはぽつりぽつりと言葉を紡いでいく。

ボクはじっと彼女の言葉を待つ。


「あたしの…運命の人は…っ」
「うん」

























「ルビー…ったい」
「うん、よくできました」


今にも頭から湯気が出そうなサファイアを、ボクは微笑みながら優しく抱きしめた。

そして、ボクも同じ様に―


「ボクの運命の人は、サファイア、キミだよ」


そう言って、彼女の唇にキスをした。




 










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