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「貴様ら退学だーーーーっ」



授業なんてそっちのけですぐさま根津は獄寺を校長室に呼び出した。そしてなぜかツナと殊夏も呼び出されていた。



「落ちつきたまえ根津君」

「これが落ちついていられるか!私に暴力をふるったのですぞ!!」



校長がいくら宥めようと、根津は力任せに怒鳴りつけていた。



「連帯責任で沢田、劉閻ともども即刻退学にすべきだ!!」

『ええ!?』

「(なんでオレらまでーーーー!?)」



連帯責任、というよりとばっちり。



「しかしですな、いきなり退学に決定するのは早計すぎるかと…」

「!!では猶予をあたえればいいのですな」

「は?」

「たしか校長、15年前グラウンドに埋めたまま見つからないタイムカプセルの発掘を、業者に委託する予定だとか」

「あ…ああ。それが何かね…?」



あれ?と怪訝そうな顔をする殊夏。



「それをこいつらにやらせましょう。今日中に15年前のタイムカプセルを掘り出せば今回の件は水に流してやる…だが、できなければ即、退学だ!!!」

「そっ、そんなムチャクチャな〜〜〜っ」

『わけわかんない!なんでそんなこと根津先生が決めるの!第一15年前にタイムカプセルは…』

「うるさい!とにかく退学が嫌ならさっさと探すことだな!」


くってかかった殊夏がそこまで言うと、はっとしたように言葉を遮り、さっさと根津は三人を外へと追い出した。







京子からメールがきていた殊夏はツナたちと別れ教室に向かっていた。



「殊夏っ」

『京子、花ちゃん』



しかし教室に付く前に二人が廊下の先から駆け足でやってきた。



「私たち心配で迎えに来たんだけど…」

「根津の奴なんて?」

『うん…15年前に埋めたまま見つからないタイムカプセルを掘り出せって。じゃなきゃ退学って…』

「はあ!?何バカ言ってんのアイツ!」

「15年前ってたしか…」

『……私、ツナ君たちのところ行ってくる!』

「あ、ちょっと殊夏!?」



花の呼び止める声も聞かず、殊夏は走っていってしまった。



「まったく、人の話を最後まで聞きなさいっての」

「でも、やっぱり心配なんだよ。ツナ君たちのこと」

「……そーいえば、あの子獄寺と一体いつ知り合ったの?」

「殊夏、社交的だもんね!」

「それで片付く問題なわけ?」



笑顔で喜んでいる京子の横で、首を傾げる花だった。京子たちと別れた殊夏はツナたちを探していたが、なかなか見つからない。どこだろう、と廊下で立ち止まっていると、廊下の先からコーヒーのいい匂いが漂ってきた。



『……あ』



もしかして、とその匂いを辿れば、そこにはツナと獄寺、そしてリボーンの姿があった。



「じゃ、お先に!」

「ちょっ、いらないよ!もーよけいなことしないでーっ」



手を振りながら軽やかに廊下を駆けていく獄寺にツナが叫ぶが、獄寺はそのまま去っていってしまった。



「だめだよ獄寺くん!!」

『ツナ君!』

「あ…劉閻さん」



申し訳なさそうな顔で、走ってきた殊夏をツナは見上げる。殊夏はツナの前まで来ると口を開いた。



『あのね、15年前のタイムカプセルのことなんだけど、埋まってないの』

「なっ!ええーーーっ!?」

『15年前は例外的にカプセルを埋めなかったって聞いたことがあるの…』



その時隣の部屋から笑い声が聞こえてきた。思わず聞き耳をたてると、根津が先生と話をしており今殊夏が話していたことを話題にしていた。



「あのクズどもはどうあがいても退学ということですよ。ま、グラウンドをまっぷたつに割るようなことがあれば、考えなおしてやってもいいがな」

「そんなーーーーっ」

『なんであの人教師してるんだろ…』



二人がそれぞれ言っていると、外からドーンと爆発音が響いてきた。それは何度も何度も、まるで花火があがっているかのように続いていた。



「なんだなんだ!!」

「あっ!!グラウンドが爆発してるぞ!」

「なんだありゃー!!?」



教室からグラウンドを見る生徒たちは大騒ぎだ。



『ダイナマイト…もしかして獄寺君?』

「(あの人本当にやっちゃってるよ…!!!)」



同じく廊下から外を見た殊夏も唖然としていた。唖然を通り越してツナはへた…っとその場に座り込み涙を流した。



「ああ…もーだめだぁ…タイムカプセルも埋まってないし、絶対退学だよ…」

『ツナ君…』



絶望感に落ち込むツナに眉を下げていた殊夏は、よし、と意気込み隣にしゃがみ込んだ。



『ツナ君、絶対大丈夫だよ!』

「へっ…劉閻さんっ?」



笑顔の殊夏の言葉に、思わず涙も引っ込めツナは目を瞬かせる。



『退学になんかならないよ。私も獄寺君もそう思ってるよ』

「そうだぞ」

「『!』」



聞き覚えのある声と共にゴッ、と銃口がツナの額にあてられる。驚きながら見るとそこにはあの家庭教師がいた。



「殊夏の言うとおりだぞ。退学にならない方法があるはずだ」

「リボーン!!」

『リボーンくん!』



まさか、と殊夏が思っていると、ズガン、とリボーンは引き金をひいた。



「復活!!!死ぬ気でグラウンドまっぷたつーーーーっ!!!」



死ぬ気になったツナは猛スピードでグラウンドにいる獄寺のもとへとやってきた。ツナの肩にはリボーンの頭にいつもいた形状記憶カメレオンのレオンがいた。



「待ってました10代目!!」

「地盤の弱点を!探す!!」



手のひらにレオンをのせると、レオンはみにょーんと徐々に形を変えていき、なった形は…。



「ダウジングゥ!!」

「シ…シブい…!!!」

『レオンって一体…』

「レオンは見たことのある物なら何にでも自分のサイズで変化することができるんだ」



ただのカメレオンじゃなかったんだ、と殊夏は目を白黒させる。



「きたあ!」



その時ツナのダウジングが反応した。



「地脈発見!!!ここを割るぅ!!!」



構えをとったツナの肩、肘、腕、腰に銃弾が撃ち込まれた。



「肩・肘・腕の3連コンボでメガトンパンチ弾。脊髄直撃で耐熱ヒフ弾だ」

『か、肩…肘…腕でメガ…?』



もちろん撃ったのはリボーン。隣では羅列された複数の部位で殊夏が混乱して目を回している。



「オレも行きます!!」



ツナの援護で獄寺がダイナマイトを投げやり、ツナが地面を割ると同時に爆発した。見事にまっぷたつになった地面に呆然としていた殊夏はん?と何かを見つけ走り寄った。



「じっ、地震!!」

「一体何がおきてるんだ?」



教室からではいまいちグラウンドの様子がわからず、パニック状態だった。



「獄寺と沢田と劉閻だな!グラウンドで何をしているかーっ」



顔中に青筋を浮かべながらやってきた根津に気づいた殊夏は、見つけたものの中から数枚紙を取り出した。



「即刻退学決定…」

『これ、なに?』

「!?」



立ち上がり振り向いた殊夏が根津に見せつけたのは、答案用紙。名前は根津銅八郎…根津の答案用紙だった。



『15年前のカプセルはでてこなかったけど、かわりに40年前のカプセルがでてきたよ』



そこへこちらに気づいた獄寺がやってきた。殊夏が持っている答案用紙を見ると顔をしかめ、なるほどと納得した。



「なんでエリートコースのおまえのテストが平凡なうちの中学のタイムカプセルに入ってるんだ?」

『しかもこの点数』

「んだコリャ!?」



答案用紙の点数はすべて一桁だった。明らかにツナや殊夏よりも低い点数だ。



「そ、それは………!!」


ーーーー根津銅八郎(55)、学歴詐称で解任。(実は5流大卒)






















「失礼しました」



校長室でツナ、獄寺、殊夏はさすがにちょっとやりすぎ、と校長にグラウンドの件について注意を受けた。退学についてはまったくの無効ということだった。



「はーよかった。退学にならなくて」

「やだなぁ10代目。マジで心配してたんすか?そんなこと、このオレが命にかえてもさせませんよ!」

「!獄寺くん…」

『私も、これからはツナ君の役にたてるよう頑張るね!』

「劉閻さんっ…」

「よかったな。たのもしい部下が2人もできて」

「なっ、リボーン!だからオレは部下とかいらないって!だいいち、劉閻さんはともかく、獄寺君とつるんでたら落ちこぼれ同士で京子ちゃんにひかれ…」

『そういえば獄寺君はテストどーだった?』

「ふん」



殊夏の問いに笑みを浮かべるとどこからか出した答案を見せた。



「この学校のテストってちょろいな」

『満点!!』

「(ガンッ)」



獄寺は勉強ができた。



「ツナと殊夏も見習え」



その後見せてもらった他の答案もすべて満点で、獄寺は2人から尊敬の眼差しでしばらく見られていた。





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