庭球 | ナノ

  ビターチョコレート


私と清はつい最近まで付き合っていたのだ
そして、清の「わかれよう」という言葉を聞いて1週間


「ねぇ、なんで私と一緒にいるの?」


隣でフワフワとした明るいオレンジ色の柔らかそうな髪が揺れる


「ん〜、何でだろうね」


清はそう、苦しそうに笑った
私は清をまだ好きなのかもしれない、彼の笑顔がみたい
独り占めしたい


「清は今、好きな人いるの?」


わかれたばかりでこの質問
我ながら泣きたくなる


「え?...うぅ〜ん..いる、かな?」


少し戸惑いながらもそう呟いた
その瞬間、私は考えるよりもさきに身体が動いた
唇が清の唇に重なり、数秒がとてもながく感じた
そして間から吐息がもれ


「やっぱり...私じゃ駄目かな...」


清は驚いた表情から悲しい笑顔になり、屋上からでていった


「....苦いなぁ」

End


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