世界の崩壊 05 人を大切になるのが怖い。今でも人の背中は怖い。おばあちゃん以外の大切な人なんて出来るわけないと思ってた。だけど、私だけ中を占めるミナトの割合はだんだんと増すばかりだった。 「ずっと…傍にいるよ」 「……」 「クシナには背中見せたりしないから」 「…聞いてたの?私、普通じゃないんだよ?」 「クシナはクシナでしょ?」 「!」 「"普通じゃない"なんて言葉で自分を追い込まないで」 「……ミナト」 ぎゅっと抱きしめてくれるミナト。この話をしたら離れて行くんじゃ……と、心のどこかで思ってた。 「クシナのおばあちゃんに挨拶に行っていいかな?」 「あり、がとう…ありがとう…ミナト」 おばあちゃん、私…幸せだよ?ミナトをおばあちゃんに合わせたかったなぁ。 「クシナ好きだ、」 「私、も…」 「大好きだ、」 「私も大好き、」 「愛してる…クシナ」 ミナトの背中にやっと手を回す。もっともっとミナトに。誰も私たちに入り込めないように。 (私の小さな世界が崩壊した気がした) (20110206) [前へ] | [次へ] |