世界の崩壊 02 「……クシナ?」 勢いよく抱きついた(飛びついた)にも関わらずミナトは私をしっかりと抱きとめてくれた。 「……誰?私、知らないよさっきの子、」 「…ミコトのこと?」 名前なんて聞きたくない。私ってうざい子なのかな?家に来た女の子をいちいち探索して、 「ははは、」 「ミ、ミナト?」 声を出して笑うミナトに驚いて見上げた。ミナトはとても優しい顔で笑っていた。え?この状況で笑う?? 「俺、愛されてるって自惚れてもいいのかな?」 なんて、にこにこしながら言ってくるもんだから、 「っ!し、知らない!!」 「俺は愛してるんだよ?もちろん、クシナのこと」 「///」 「ミコトは幼なじみだよ。それにミコトには彼氏もいてるしね」 「……ん、分かった」 「……クシナ」 「駄目なんだってばね。ミナトに会ってから私、弱くなっちゃったってばね……」 本当に弱くなった。昔の私なら独りだって、誰かが誰かを好きとか嫌いだとか別に気にならなかったのに。 「クシナ……?」 「私ね、小さな頃に両親が死んで、親戚の間をたらい回しにされてね…」 私は愛される資格なんてないと思ってた。だから、独りでも大丈夫だったし怖くなんてなかった。だけど、ミナトがあまりにも普通の愛を私にくれるもんだから… 私の話しをミナトには聞いてほしいと思った…… (20110111) |