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ある日、本当にごく普通な学校の休み時間
隣の席の江島くんにこんなことを言われた

「まさゆきってさ、なんかようすけのお母ちゃんみたいだよな」

「…お母ちゃん」


俺がそう呟くと
後ろから声が聞こえた

「そーだよ。まさゆきはおれのー」

あれお前さっきまでぐうぐうイビキかいて寝てなかったっけ?
なんでこのタイミングで起きるんだよ、ちくしょう

「だって朝起こしてくれるしさ、それに風呂だって一緒にh「うわぁぁあぁぁぁあ」」

「うるせえ…なんだよ、雅之。いきなり叫んで」

「っ、あ、ごめん」

江島くんに怒られたじゃないか。
キッと後ろを振り向いて陽介を睨んでやると
へにゃ、と笑って「おかあちゃん、お顔がこわいよ」などといってほっぺを軽く引っ張られた。馬鹿にしやがって。

「あ、陽介ちょっとじっとしてて」

「んー」

「はい、ネクタイ曲がってたぞ」

「ありがとぉ」

ネクタイが曲がってることに気づいて
直してやった。
わかるか、なんかこう、気持ち悪いんだよきちんとしてないと。


「わーオカン………つか、ほんっと、お前らイケメン同士で仲いいよな」

江島くん曰く
俺はイケメンなのに世話好きっていうギャップが堪らなく女子の好感度を上げてるらしい。

陽介はイケメンなのにだらしがないっていう、これまたギャップが女子の母性本能を擽るだとか。

これを聞いた感じ、もうなんでもギャップになり得るんだと思う。

「まさゆきー」

「うわっ」

いきなり後ろから抱き締められた
マジやめろよ、こんなところで

女子が俺らのこと見ながらキャーキャー言ってるしなんだこれ。


「今日、雅之のマンション行っていー?」

俺にしか聞こえない声で尋ねられた

「…っ、いつもきてるだろ」

絶対に振り向かない
どうせまた俺の返事を聞いて
へにゃへにゃ笑ってるんだろうから

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