■ 4
「…………ん、」
次に起きた時には視界を布団が妨げた、
あれ、いつの間に布団かけたんだろ、
まだ、ぼやぼやした頭で考える
左手に妙にあつい温もりを感じたから
視線を辿って行くと……………
「…………っ」
見知らぬ男と目があった
俺は勢い良く起き上がった、
「おはよ」
そのベッドに座っている男は
なんとでもないかのように言い
俺と目を合わせたまま
頬を撫でた。
その瞬間、
あの忌々しい記憶が蘇る
「や、……………」
声が出ない
体が震える
怖い
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
あの時の映像が鮮明に頭をよぎる
ああ、これをフラッシュバックというのか
こんなの今までで初めてだ。
怖い。
すると男は俺を抱き締めた
「大丈夫」
低音で耳に心地の良い声が聞こえる。
だが、体の震えは止まらない
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