■ 2
ちなみに、攻めの声優は
先輩の蓮水 迅さんだ
ベテラン声優。大先輩だ
どうしようと一人で考えていると
稽古場のドアがガチャっと開いた
「あれ?漣くんもう来てたの?」
迅さんだ。
「あ、迅さん。はい、ついさっき… あ。おはようございます」
「ハハ、えらいね。お早う」
「あー…はい」
「ぶは(笑) なに緊張してる?」
「そりゃあ…初ですし」
「大丈夫大丈夫、やればなれるから」
「はぁ…」
ざっとこの物語を説明すると
前世で思いが通じあったんだけど攻めの方が(まぁ、冬生さんという名前なんだけど)不慮の病で亡くなってしまい結局はバッドエンドというか、まぁハッピーエンドではない。なんというか、納得いかないというか、終わり方が。
それで俺と迅さんが演じるのはその来世のお話。
前世で雪実くん(受けだったこの名前)は実(みのる)
前世で冬生さん(攻めだったこの名前)は春彦(はるひこ)
と言った感じで二人共、前世の記憶は持っているんだけど夢だと勘違いしてて、ある時、大学生の実くんが寄ったカフェの店長さんが春彦さん、というミラクル。
そこから二人は惹かれ合っていくんだけど…
みたいな話。
演じるのがとても難しそうだ。
「まぁ、リラックスしてやってこ」
「はい…!」
「4月になると俺らのフリーラジオ始まるし」
「あ!そうそう、シモネタ禁止ですよ。編集者さんから規制入りましたし…」
「あー、 んま、大丈夫っしょ深夜放送だし」
「はぁ…(苦笑」
そんなこんなでお稽古が始まった。
よろしければ*
U N I O N
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