2018/05/06 22:56

フランスの男の人って本当に、どうしてこんなにずるいんだろう。
私が男でも、こんな平凡な自分に敬意を表してくれた彼の人間性に惹かれていたんだろう。

「表現がオーバーだよ。」と苦笑すればそれこそ私の方が過小評価し過ぎなのだと叱られる…風を装って「それがジャポネのレディの…いや、失礼。君の魅力でもあるのだけど、」なんて更に褒めてくるから、あまり男性に免疫のない平凡な日本人女子の私の恋心が芽生えたりするのは仕方のないことだと思うんだよねー。

しかも外国人男性のお顔って、否、サンソンってなんであんなに、素敵なんだろう。

ドクターが忙しいときは彼も傷ついた私の治療もしてくれた。その度にメンタルケアもしてくれた。距離が近くて、ドキドキしたことがもうはるか昔のよう。

「大丈夫、あとにはならないよ。」

「ありがと。まあちょっとくらいは仕方ないと思うけどね!」

「それはいけない。君の美しさが損なわれることはないかもしれないが、僕が嫌なんだ。
だからなるべくは怪我をしないこと、いいね?」

歯の浮くようなセリフ。
真面目な顔で今時少女漫画ですら聞かないような言葉なのに真剣に言ってくるから、そりゃあ私もね多少は思春期感残ってるし、赤くもなるよ。

「マスター、熱でも?」

「熱だと思う?」

「嗚呼、すまない。
もし、僕の憶測が現実なら、自惚れてもいいかな?」

私の熱が移ったようにサンソンの白い肌も赤く染まっていたので、気持ちが通じあったかのように嬉しかった。彼は真摯に私を愛してくれるよい人だった。

「ああ、リツカ。君はとても素敵な人だ。
こんなレディと恋人になれるなんてなんて幸福なことだろう、」

こんなことを毎日言ってる。
バカップルの極みな感じもしつつもドキドキして幸せだった。そうだった。

付き合って彼が自分の弱味を明かして私を頼ってくれる時もあった。
抱き締めて宥めると彼は泣きそうな顔で享受してありがとうと何度も繰り返した。

そんなある日だった。

日、は照っていない。
やることをやって、寝てる時。

「──」

彼の声で目が覚めた。


目を閉じたまま、彼の方に寝返りを打つ。



「なあに?」

寝ている私に意味もないのにそっと愛を囁いたりする人だから、愛しくて可愛い男の人だから。
起きなくてもよいのだろうけど、微睡んでいるのは心地よいのだけど愛しさが勝った。
ぽそりとつぶやいたそれは一度途切れたがまだ細々と続いている。

耳を彼の吐息が感じるくらいに近くまで寄せて、言葉を認識するより早く、何故か背筋に寒気が走った。

────これは寝言だ。
嘯くのは寝息のようにか細くそれでいて熱っぽい。

「…愛しているよ、マリー。マリア…。」

誠実だと思っていたこの人の愛は。
慈しもうと思っていた真面目なこの人の心の居所は、私ではなかった…?



なんて、ドラマみたいになったし、眠れなかったし涙が出たけど、まあ、かの有名なマリー・アントワネット様ならしゃーないとこ、ある。。。
忘れてたけどそういえばオルレアンでの彼もマリーにはひどく執着し興奮していて、それは狂気めいた愛のようにも見えた。生前の彼の生きた証であり拭いさることのできない心残り、罪のような責務の側面だと思っていたけれど。そして狂化状態にあったわけだし、もう別人だと、黒歴史だと割りきっていた。

違うんだ。
彼はマリーが好きなんだ。
じゃあ私は?

彼はきっと嘘をつかないから、きっと私のことも愛してくれているのだろう。
きっと此度の召喚された世界の、この時代に今いる人のなかでは私が一番好き、なのかな?
希望的観測にすぎない。

私は未だなにも彼に突きつけてはいない。
何故ならカルデアにはマリーがいないから。

──────────────
ぐだぐだしてきたのでもうメモで以下

そのうちマリーちゃんを召喚してしまって青ざめるぐだ。
歓喜しているフランス組

サンソンに聞いてしまうぐだ

「すまない。」

「君を愛しているのは本当だ。嘘偽りない。
しかし、王妃に、焦がれているのも、事実だ」

「こんな形でまた彼女に会えるなんて、でもこの気持ちは伝えることはないんだ。(気分が高揚してる)
いや、嫌な気分にさせるつもりはなくて、その、すまない。」

「僕が、リツカに恋をして好きになったのは紛れもない事実なんだ。それだけは知っていてほしい。」


「でも僕は今を生きる人じゃない。あのときのままなんだ。あのときの気持ちのまま…。
だからきっと僕はマリアに焦がれてしまう。君という素晴らしい女性がいながら、本当に、すまない。」

「自分でも不誠実だし、クズだと思う。振ってくれて《かまわない》」


「それでも、こんな僕でもいいなら。」

「ごめん、ごめんよリツカ。こんな僕で」

「いいよ、いいんだよ。」

そのうち泣かないけどべそかくようになるサンソンをぐだが慰めるようになる。
なんであんなやつが、みたいなアマデウスの愚痴言っちゃう。いいよいいよいいながらメンタルすり減るぐだ。


「本人には言えないけどつらい、、」


「ふむ、天才がまとめると、精神的な浮気を寛容しながらその浮気がうまくいかないことを慰めるうら若き乙女なのかいキミは?寛容というか依存というか、うーーん、爛れてるねえ〜」

「でも彼のような母性本能をくすぐるダメ男、嫌いじゃないよ」

「母性あるんすかダヴィンチちゃん」

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