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一ノ瀬くんと神宮寺くんとも自己紹介を終えた私はあることに気付いた。

最初は別に気にならなかったのだけどれど、神宮寺くんの声が聞こえる度にそこに青峰がいるように感じる。

「声、似てるなぁ……」

ぼそりと呟くと同時に神宮寺くんと瞳が交わってウィンクをされる。

「どうかしたのかい?」

「いえ、知り合いに声が似てるなぁ……と思って」

目の前の神宮寺くんが楽しそうに口元を歪めた。

「その知り合いはどんな人なのかな?」

「……簡単に言うとバスケ馬鹿、でした」

「でした……?」

私が頷くと、神宮寺くんは私が言いたくないのを悟ったのか私に苦笑を向けると静かに来栖くんの元へ戻って行く。

そして、神宮寺くんが去って暫くすると隣に聖川くんがやってきた。

「桃井、明日は正門前で集合だ」

「あっ、うん。ありがとう」

「気にするな」

ここでも、今まで気にならなかったのに分かってしまったことが1つ。

「紫原……?」

私は去っていく聖川くんの背中を見詰めて溜息を吐く。

「明日、か……」

何だかんだで、彼らは見た目も性格も違うから話したりするのには支障はないから大丈夫だ。

私は静かに一歩踏み出して近くにいたトモちゃんに抱き着いた。

「トモちゃん!」

「うわっ!って、やよい!!」

すると、抱き着き方が悪かったのか前のめりになって転けかけたトモちゃんが怒る。

私は慌ててトモちゃんの腕を引いて体制を整えさせると頭を下げた。

「ごめんなさい!」

「絶対に許さないわよー!」

しかし、流石はトモちゃん。

彼女はニヤニヤと笑いながら私に迫ってきた。

そこからはキャーキャーと逃げる私と追うトモちゃん。

周りはただ大きな声で笑いながらそれを見ていた。



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