桃色主inまた会い主の身体
朝、目が覚めると私は知らない部屋の中にいた。
そしてそれと同時に気付いたのは自身の髪の毛の色が桃色から水色になっているということ。
私はその水色の髪の毛に指を通し、とある人物のことを思い浮かべた。
「……黒子、くん」
刹那、小さな音を立てて開いたこの部屋の扉。
私はその扉を開けて顔を覗かせた人物を見て目を見開いた。
「く、黒子くん!?」
途端に不思議そうな顔をして私の元まで歩いてきたと思うと、その右の掌を私の額に当てて左の掌は自分の額に当てた彼。
「熱は、無いですね」
ほっと安堵の息を吐きながらうっすらと微笑む彼。
私はパクパクとそれに口を開閉しながら固まる。
その際に、彼が口にした私の名前は私の名前ではないことに私は気付いた。
「美桜、大大大ですか。なんだか様子が変ですよ……?」
心配そうに私の顔をのぞき込みながら眉を八の字にさせる目の前の彼。
私は彼の言葉に対してできるだけ笑顔でそれに頷いた。
「だ、大大大」
「ならいいんですが……」
取り敢えず、私はどうしたらいいのだろうか。