夜、三蔵の部屋で遊ぶのも程々にして解散した私は現在悟空と共にベットの上にいた。
スヤスヤと私の背中に手を回して眠る悟空と、そんな彼の頭を撫でる私。
悟空が小さく寝言を言った。
「んー桜蘭……」
「本当に、嫌になるほど似てるな……」
彼の寝言をきっかけに思い出したのは、あの惨劇が始まる少し前まで笑いあっていた私と妹の姿。
あの子も悟空のように私によく懐いてくれていて、いつも一緒に寝ることが多かった。
その度に私の名前を寝言で言うものだから毎回よく声に出して笑ったものだ。
ふと、考えてるうちに意識が飛びそうになったところで部屋の扉が開いた。
「へへっ、グッスリか」
聞こえた声は知ってる人間の声ではなく私は一気に気を張った。
そして、ヒタヒタと近づいてくる相手の気配。
気配は私達の目の前で止まっと思うと勢いよく何かを振り下ろしてきた。
「死ねっ!」
同時に私は素早く立ち上がり、手をクロスさせると相手の攻撃を受け止めた。
それでも、相手の力は強くて私は一か八か悟空に対してとある言葉を呼んだ。
「悟空こんな所に肉まんが!」
「腹減ったー!!」
すると、悟空は勢い良く私の声に反応すると大きく伸びて敵に蹴りを入れる。
それと同時に敵は扉を突き抜けて廊下へ飛ぶ。
「大丈夫ですか二人共!」
私は寝ぼけている悟空を横目に心配して来てくれただろう八戒に苦笑を向けて頷いた。