▽ 18
私たちはあれからも、みんなのサポートをできるように必死に頑張った。
そして、ある日。
私とさつきちゃんは一軍のマネージャーになることになった。
二軍の先輩たちも、一緒に頑張ってきたマネージャーのみんなも私たちを涙ぐみながら見送る。
「桃井、黒子。今までありがとうな」
「二人ともよく頑張ったもんね。別の体育館に行っちゃうのは悲しいけど、これからも頑張ってね」
久遠先輩は本当に嬉しそうに、マネの先輩の前園先輩は少し悲しそうに笑って私たちを撫でる。
そして、遂にはさつきちゃんが泣きながら前園先輩に抱き付いた。
「前ちゃん先輩!!」
「あらら、困ったね」
困ったと言いながらも満更ではない前園先輩に私と久遠先輩は目を合わせて微笑んだ。
そして、抱き合う二人の後ろに見えたのは拗ねたような顔をしたフラン。
「行け」
久遠先輩に背中を押された私はフランの前に立った。
「フラン、先に行ってるね?」
私の言った言葉にフランは一気に顔をあげる。
そして、珍しくも笑った。
「当たり前ですよー」
すると、タイミングを見計らったように後ろからさつきちゃんの声がした。
「美桜ちゃん、今日は上がって良いって!一緒に帰ろう!!」
「わかったー!今行くね!!」
私は大きな声でさつきちゃんに答えた後に、フランに向き直る。。
「ってことで、今日は先に帰りまーす」
フランは仕方ないと言うように溜め息を吐いた。
「分かりましたー」
私はそれに満足げに笑ってさつきちゃんの元に走る。
少しだけ、この二軍から離れるのが悲しいと思ったのを心に押しとどめたまま。
prev /
next
しおりを挟む