いつもの救出劇
「ほら、ビードルだぞ」

「泣いてみろよ」

ひいを遊びに誘おうと、ひいの家にいったら、庭先で胸糞の悪い光景にでくわした。
オレたちより少し年上の野郎2人が、ひいを取り囲んで、ビードルのおもちゃを無表情の顔に押し付けていた。
あいつら、飽きもしないでまた。

「こらー!なにやってんだ!」

「げっ!?アツシだ!」

「ちっ!」

いじめっ子たちはアリアドスの子を蹴散らすように逃げていった。
あいつらはいつもそうだ。なにが気に入らないのかは知らないが、ひいが1人のときを狙っていじめるんだ。

「ひい、大丈夫か?」

「うん」

ひいはけろりとした顔で、あいつらが投げ捨てていたビードルのおもちゃを抱き締めていた。
よかった、けがはしてないみたいだ。

「ねえ、アツシ」

「どうした?」

「このポケモン、どこにいったら見られるのかな」

ひいはきらきらした目で、ビードルのおもちゃを持ち上げた。
いじめっ子たちは泣かせてみたいって言ってたけど、わかってないよな。ひいはこういう顔してるときが1番いいのに。

「よし!じゃあ今日は、ビードルを探しにいこうぜ!」

「うん」


ヒイロはいじめられっ子というか、感情があまり表にでないためになかなか周囲と馴染めない子。
しかし、このいじめっ子たちは多分気になる子はいじめたいの心理でいじめてると思う。
で、毎回アツシがとめに入ると。ヒイロもそれがわかっているのと、そんなにひどいことされてないので気にしてない。それよりビードルが気になるお年頃。
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