幽霊の正体見たり
ヒロト「夏だし、怪談しようぜ」
ミヤコ「悪いんやけど、うち、そないな話するのは苦手やわ」
ヒロト「聞くだけなら?」
ミヤコ「それやったら」
ヒロト「じゃあ、聞いててくれよ。とっておきのやつだから」
ミヤコ「あらまあ、そんなら今から震える準備しとかなあきまへんな」
ヒロト「期待しとけよ。前にさ、夜のポケモンの生態を調べるために、夜中のりゅうせいのたきに行ったんだ。そしたら、奥の方から何かを叩く音が響いてきたんだ。こーんこーんって硬い音だったよ。それだけならポケモンかなって思ったんだけど、そうじゃなかったんだ。だんだんとさ、声が聞こえてきたんだ」
ミヤコ「それってもしかして男性の声やった?」
ヒロト「よくわかったな。そうだよ、青年の声でさ、『ない、あしがない』って」
ミヤコ「それ、『あし』やのうて『いし』やったんとちゃう?」
ヒロト「えー、絶対に『あし』だったって。だいたい『いし』がないってどういう……あっ」
ミヤコ「わかったやろ?」
ヒロト「うん、わかった。ダイゴさんめー、今度会ったらただじゃおかないからな!」