「高尾…」
「ん?何?」


私の目の前に座っている高尾は、何故か口をすぼませて目を瞑っている。彼がそんな行動をしている理由が全く思いつかなくて、思った通りに質問することにした。


「それは何、どういうこと?」
「え、ナマエが誕生日だっつーから」
「うん、で?」
「だからプレゼントを」


プレゼントを、と言われても彼が変顔をしている周辺にプレゼントらしきものは何も見当たらない。ということはやっぱり変顔がプレゼントなのだろうか。タコみたいな口がプレゼント…?


「…え、変顔が?」
「違うわ!ちゅーしてあげようとしてんだろーが!」
「うっわ引くわ。何、自分にそんな価値あると思ってんの?自意識過剰にもほどがあるわ!」
「ナマエがひっでぇ!」


自意識過剰気味の高尾のプレゼントは、まさかのちゅー顏とちゅーだった。いや、あり得ないでしょう、普通。泣いている高尾を見て、この子をどうしたものかと考えていると後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。


「どうしたのだよ?」
「「真ちゃん!」」


今まで机に突っ伏していた高尾が勢いよく起き上がる。起きた顔に涙の後は何もないので、さっきまでのは泣き真似だったらしい。はぁ、とひとつため息をついてから事情を何も知らない真ちゃんに説明を始めた。


「和成が私に誕生日プレゼントくれるって言うんだ」
「?良かったじゃないか」
「だよなー、ナマエはもうちょいオレに感謝してもいいと思うぜー」


頭にはてなマークを浮かべて何が不満なんだ、とでも言いたげな真ちゃんに便乗して高尾が調子こいた発言をする。その言動にイラついたので、真ちゃんに彼のプレゼントの真相を話す。


「真ちゃん…プレゼント、何だったと思う?」
「…何なのだよ?」
「ちゅー、だって」


私がちゅー、と口に出した瞬間真ちゃんが真顔になった。いや、割といつも真顔だけど。


「高尾…」
「真ちゃんまでその哀れみの顔マジやめて!」


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玲さんのお誕生日に捧げた夢です
玲さんはぴば!
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