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-変わらないこと、変わったこと-


斎藤と私が恋仲になった。
その事実は、すぐに屯所内に広がった。
次の日、私が屯所に遊びに来ると、みんなが「おめでとう」や「よかったな」と言ってくれた。
…ありえないくらいに恥ずかしかった。
それでも、みんなは変わらずに、いつも通り接してくれる。
「名前ちゃん、金平糖いる?」
「い、いる…むご」
「あはははは!」
沖田に金平糖を口につめられたり。
「酒だ酒!」
「名前も飲めよ!」
「だから飲めないって…このくだり何回目だよ!」
三馬鹿に酒を飲ませられそうになったり。
何も変わらなくて―いつも通り、楽しい。


だが、変わったこともあった。
「……………」
「さいと、」
「…………な、なんだ」
斎藤が目をあわせてくれなくなった。
…照れてるのか?
「さ、さっき土方が呼んでたぞ、部屋に来いって」
「そ、そうか…ありがとな」
少し赤い顔でニコリと笑う。
その表情に、私はドキドキしてしまう。
「い、行ってくる…」
そう言って斎藤は土方の部屋に向かう。
「…あああああ」
私はその場にしゃがみこむ。
「斎藤…かっこいいな………はっ」
これが変わったこと。


恋仲になって、
斎藤がより一層かっこよく見えるようになりました。




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