▽ 1学期 中間
いっつもいっつもそうだ。
-1学期 中間-
1年のときからそうだった。
私は2位、あいつは1位。
1年間、ずーっとそうだった。
だから2年になって、あいつを越そうと頑張ったのに―
「また2位か…っ!」
私は個人に渡される順位の書かれた紙をくしゃりと握る。
1年と同じ結果だった。
「…また1位か」
隣りの席の斎藤…すなわち私の天敵は、そう呟いた。
ま た 1 位 か だと…!?
「斎藤! お前は本当に嫌みなやつだな!」
「苗字、うるさい」
「私はいくら頑張っても2位だというのに…お前は「また」だと…!?」
「またなんだからしょうがないだろう」
「くっ…!」
私は立ち上がり、斎藤に指を突き付けた。
「勝負だ、斎藤!」
「…は?」
「この1年間で私が一度でも1位を取れたら勝ち! 取れなかったら斎藤の負け!」
「…それはお前に有利ではないのか」
「1位なんだからつべこべ言うな! じゃあ私に1つ命令できる、で!」
「…ああ、分かった。 何が何でも阻止してやろう」
「よし!」
こうして―
私と斎藤の試験戦争は始まった。
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