僕は下駄箱を開けて、一言。
「そういえば…今日はバレンタインかあ」

バレンタインデー 沖田編

うーん…今年もギッシリ詰まってるなあ。
僕はそのチョコを持って、全てをゴミ箱に投げ込んだ。
「お前…すげえなあ」
平助は唖然としていたけど、下駄箱に入っているチョコなんか絶対いやだし、毎年こうだ。
そして去年までは、バレンタインなんかめんどくさくて、大嫌いだった。
―しかし、今年は違う。
あの子1人だけから、貰いたいんだ。

……ドキドキする。
私は、これから沖田先輩にチョコを渡しに行く。
…もちろん、本命チョコ。
「うわあ…どうしよ…」
チョコを渡すのなんか初めてで、ありえないくらいドキドキする。
「…や、やっぱやめようかな…」
そうしてくるりと振り返ったとき。
「うわあっ!」
沖田先輩がいた。

「あれ? 君、何してるの?」
「え、えっと…」
あなたにチョコを渡そうと…なんて、言えない!
「そういえばさあ…今日って、バレンタインだよね」
「へっ!? そ、そうですね!」
「君からチョコは無いわけ?」
「へ…?」
「好きな子からのチョコ、欲しいんだけど」
沖田先輩はそう言って微笑む。
え、す、好きな子って…私!?
「当たり前じゃない」
…夢みたい!
「…ど、どうぞ…美味しいかわかんないんですけど…」
「ありがとう…で?」
「で、って…」
「もう一言、あるでしょ?」
「………す、好きです…」
私が呟くと、先輩は抱きしめてくれた。

ハッピーバレンタイン!


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