『総司!総司ってば!!』
ある朝のこと。
私は日が高くなってまだ眠り続けている総司の体を揺すっていた。
もう5分くらいこうしているのに、総司はなかなか起きてくれない。
『もう!ご飯もかたづけちゃったんだよ!いい加減に起きて!』
「う、うーん…」
何度言っても総司はきゅっと目をつむっていて、日の光と私の声に抵抗していた。
まったく!
最近いつもこうなんだから!
早起きして奥さんのご飯くらい食べてくれてもいいのに!
そう、私と総司は夫婦である。
戦の時代に幕を閉じ、新選組のみんなとも散り散りになったとき、
私は長年慕い続けていた総司と共に新しい時代を歩いて行くと決めた。
今は京からも江戸からも遠く離れた田舎に、ひっそりと暮らしている。
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