07
うわあ、すごい俺様。
-金髪のお客様-
それはある日のことだった。
私がもう少しであがりだというとき、1人のお客さんが来た。
「いらっしゃいま…せ」
金髪で、少し怖い顔をした男の人だった。
…なんか、土方みたい。
「こちらの席にお座り下さい」
開いている席に座ってもらおうと思ったの、だが。
「…俺に命令する気か」
と、金髪は睨んできた。
…はあ?
「…めんどくさ」
まためんどくさいお客が来ちゃったなあ…悪い方の浪士かなんか?
「めんどくさい、だと…?」
あ、聞こえてた。
「貴様、この俺に向かって…」
「座るのやなら立ってどーぞ、私もう終わりなんで」
そうして私が裏に入ろうとしたとき。
「…面白いな」
と、金髪が腕を掴んできた。
「…は?」
「貴様、名はなんと言う」
「土左衛門」
「真面目に答えろ」
「…苗字 名前」
「名前、か…面白い、また来るぞ」
金髪はそう言い、何も買わずに出て行った。
「また来るのかよ…」
そう思いつつ、私は裏に入って行った。
金髪のお客様は、少しやっかいだった。
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