※元ネタMiiさん
「いやだぁ!」
「アーロ…」
「それはいやだぁ」
さっきから駄々をこねた子供のようにかたくななアーロは首をふるふると横に振っては泣きそうにオレが手に持った小瓶を指す。
困ってしまうことに、アーロは目薬が苦手なのだ。
ただ、今は目にゴミが入ってしまい目が痛そうな顔をしているから、目薬をさそうとしていたのだが。
「少しだけ我慢できないか?」
「うー…」
「すぐ終わるから」
アーロの髪を撫でつけてソファに座り、ぽんぽんと膝を叩く。
膝枕。
目薬は嫌いでもこっちは好きだろう、と首を傾げれば、仰向けに膝に乗り、目をすがめて目元をガード。
「…ベスター」
「大丈夫、痛くないし恐くない。オレが居るだろ?」
「……」
「な?」
宥めれば、漸くガードを外して銀色の双眸が姿を現してくれたので髪をなでてからまぶたを指で押さえ、ゆっくりはずさないように目薬をさす。
「んっ」
ぎゅっ!点した瞬間目をつぶったのでまぶたから指をはずして、はずした指の代わりと、ご褒美におでこにキスをする。
「?」
ぱちり。
唇を話した瞬間目を開けたアーロに微笑んでみせれば、確かめるようにおでこに触れたので、指がキスしたところに触れたら、チュッと唇で音を立てたら顔を真っ赤にして両手で顔を覆って足をじたばたさせている。
「おつかれさま、アーロ」
「ベスター…」
「ん?」
「もう一回がまんしたらもう一回してくれる?」
目薬か涙か定かではないがうるうるした目で見上げられれば、思わず笑いがこみ上げて髪を撫でて、また我慢したらな、と言ったらアーロはまた我慢する、と言った。
…かわいい。
20130422.