甘党天使ボスと悪魔スクアーロ2

※天使と悪魔パロ第二弾。第一弾と話が繋がっているところがあるので先に第一弾を読むことをおすすめします。





青い空、白い雲。

日本の夏特有のムシムシしたまとわりつく空気に嫌気がさす。
日本の菓子は悪くないが、夏場のこの暑さばかりはどうにかしろと思ってしまう。

下界でクールビズが流行っているから紛れ込む名目でネクタイを外し腕をまくり、ガリガリ君を袋から取り出し、厚いアイスを口にくわえる。しゃくり。最近は暑さも手伝ってアイス系に手を出しているがなかなかだ。厚めのアイスキャンディーでコーティングされざっくり、中身はかき氷状のしゃりしゃりとしたかみごたえのあるアイスだ。
ちなみにオレは王道ソーダ派である。
認めてやる、62円でこのコスパはすげぇ。

馬野郎もまた土産にチュッパとアイスが食いたいとか行っていたがさすがにアイスは持ち帰ってる間に溶けるだろと諦めさせたが、オススメのくらいは目星をつけて土産話でもしてやろうとコンビニアイスを買いこんだ。

とりあえず安定のガリガリ君、ピノ、アイスの実。そして少し豪華にハーゲンダッツバニラと期間限定商品紫芋。公園にでも行って日陰に座りながらガキども連れてる母親たちやロードワークしている定年退職後のジジイくらいしかいないだろうが、まあそれもやむかたなし。とにかく少しでも涼しいところですぐにアイスを吟味したい。
そう思って近場の公園を検索していたら後ろから突き飛ばされ、手に持っていた買い物袋が車道に出てアイスが全部ひかれて道路に露と消えた。


よろしい、戦争だ。


パッパー、ちょうどよく終末のラッパの音が鳴ったことだし(※クラクション)お前の命もこれまでだと殺意をばしばしし放ちながら振り返れば凄まじい笑顔の、先日ぼっこぼこにした銀髪悪魔がいた。



「よぉ!お前見つけたからよぉ!もうこれって運命じゃ、」



ぶぉん!この間いとも簡単に叩き込めた顔面への一発目が避けられ舌打ち。
なるほど、油断してなきゃなかなかにフットワークは軽いわけか。まあそれならそれで



「はッ、警戒してりゃそんな見え見えの一発―――」
「そうかよ」



ダンッ!



「―――へ」



フットワークが軽いとわかれば足の甲を思い切り踏みつけた瞬間、悪魔の間の抜けた声と顔が視界をしめるが構わず腰を捻り、横殴りに肘鉄、返した腕でそのまま裏拳、アッパーとどめに肘を頭の上から叩き落として沈める。ぐしゃあ!無様に地面に落ちた悪魔の後頭部を全力で踏みつける。
ぐりぐりと押し付けてやればぎりぎりぎり、意地でキラキラした目をこちらに向けてきて怖気が走った。



「やっぱお前は、意地でも堕天させてやるぜぇ…!」

「死ね。アイス買ってこい」

「アイス?アイスでいいのかぁ!?」



行ってこい、とコンビニを指さしたらしつけられた狩猟犬よろしくダッシュして、帰ってきたそいつが抱えてきたコンビニの袋にはハーゲンダッツが山のように入っていた。

ブルジョアかこいつ、とは思ったが今回はハーゲンダッツに免じて許してやろうと思った。


(アイスやったんだから堕天しろぉ!)(ガキかジジイの誘い文句だろ)



20140416.


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