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黒子テツヤの証言




こちら黒子テツヤ。青峰くんとアーケードの中にあるスポーツショップに行った帰り、偶然、藤崎先輩と主将、灰崎くんを見つけました。


正直、休日でも一緒にいる藤崎先輩と主将には驚きを覚えましたが、何だか面白そうなので尾行して見ようと思います。


青峰くんですか?道連れに決まってます。当たり前でしょう(シレッ)


青峰くんと居ると目立つので、僕は敢えて藤崎先輩達から近い場所に居ます。


何より僕は影が薄いので気付かれる心配はありません。背後に立った僕に気付くのは、母や祖母、赤司くんくらいですから。


絶対に気付かれる事は無いと油断していたからでしょうか。不意に振り返った藤崎先輩に、僕の心臓はドクドクと暴れ回りました。


咄嗟に電柱から出していた顔を引っ込めましたが、あと一瞬遅かったら気付かれていたかもしれません。冷や汗ものです。


フー、と1つ深呼吸。再びそろっと電柱から顔を出せば、藤崎先輩はもうこちらを向いていませんでした。完全に不審者?そんな事ありません。人聞きの悪いこと言わないでください。


「ん?どうしたんだ藤崎」
「え?あ、いや……何か視線を感じて」
「はぁー?ンだよそれ」
「いや、私も知らんて」


え、カン良すぎやしませんか?怖いです。






藤崎先輩が立ち止まったのはあるお店のショーウィンドウの前でした。ガラスに写った顔がとてもキラキラしています。目が輝いてますね。


その後ろで呆れたように見つめる主将と灰崎くん。心なしか、藤崎先輩を見つめる主将の瞳がとても優しい気がします。


……あ、お店の中に入っていきますね。……ミリタリーショップ……ですか…?何だってこんな所に?


青峰くんは見つかる可能性が高いかもしれないので、お店の中まで来るのはパス。ここは僕1人で頑張りましょう。


お店の扉が自動ドアだったので、影の薄さで認識されないんじゃないかと思いましたが、藤崎先輩達の後に入っていったお客さんに続いてコッソリ入ることに成功しました。


何だかドキドキしますね。


まず目に入るのは壁に飾られている銃ですかね。モデルガンでしょうか、黒光りした拳銃やスナイパー。詳しくは僕にも分かりませんが、刑事ドラマでよく出てくるような銃が壁に飾られていました。


それを見て、さっきより目を輝かせている藤崎先輩。主将と一緒に1つのモデルガンを手に取って何か言い争ってますね。


相変わらず仲が良いです。


主将の腕に抱えられているのはゴーグルでしょうか?もしかしなくても、あれはフルフェイスメットのゴーグルなのでは……。一体何に使うのやら。


灰崎くんは何をしているんでしょう……。


彼が持っているのは、所謂BB弾という物でしょうか。ストックしてやる……とか何とか呟いてますね。恨みがましく藤崎先輩達を見ているのは何故なんですかね。


おや、店員さんが藤崎先輩達と仲良く喋ってますね。灰崎くんを見て豪快に笑ってます。お知り合いでしょうか?


店員と客という関係にしては仲が良すぎるような……。


あ、何か話し合い始めました。


……フィールド?野外…?何でしょう、聞きなれない言葉がポンポン飛び出してきます。


ガサガサと取り出したのは地図でしょうか?こちらから視認できる限りでは色々な場所に赤丸が付いています。あれは関東圏内の地図ですかね。


「よっしゃ乗った!」
「任された!」


バン!とカウンターを叩く音がして、思わずビク、と肩を跳ねさせてしまいました。


危ない危ない……。恐る恐る覗いてみると、どうやらカウンターを叩いたのは藤崎先輩のようで。いい笑顔で親指を立てた店員さんと藤崎先輩を、主将が苦笑いで見つめていました。灰崎くんは雑誌をパラパラと捲っています。……あ、その表紙の迷彩柄の服を着た軍人さん、結構カッコ良いですね。


会計を済ませた藤崎先輩と主将、灰崎くんが戻ってくる前に急いでミリタリーショップから出ます。そして、外で待機していた青峰くんと無事に合流。


「何してたんだ?あの人達」
「……楽しそうでしたよ」


はぁ?と聞き返す青峰くんでしたが、ミリタリーショップから出てきた先輩達の顔を見て、何処か納得したようです。


ふーん、と彼らを見つめています。


少しの間3人の後ろ姿を見つめていた僕達でしたが、いつの間にか来ていた桃井さんの声で我に返りました。


帰りは青峰くんとストバスにでも寄ろうと思います。

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