満月の深夜、フランスのパリ。閑静な高級住宅街に、パリーンとガラスが割れる音が響く。


「「でっ、でたーーーッッ!!」」
「「怪盗Gだーーーーーー!!」」
「けっ、警察は何をしとるかーーッ!」








数分後、怪盗Gは木の網の中にいた。体を縄でぐるぐる巻きにされ、拘束される。懐中電灯で照らされるも、その顔は着ぐるみのようなもので覆われている為、見ることは出来ない。


「お前な…、情けないと思わないか?こんなコスプレして今どき怪盗とかさ…」
「やぁガルマー警部、ごくろうさまです」
「あのな?話聞いてるか?」
「くくくくく………」
「親泣くぞ、お前」
「ワタシを捕まえるなんて無理ですよ」
「あー、ハイハイ。…連れてけ」
「「「はっ!」」」


最早捕まっているというのに、自分を捕まえるのは無理だと狂言を言う怪盗Gに、最早ガルマー警部は呆れ顔だ。警官隊に、連行を促す。


ズルズルと引き摺られながら怪盗Gが言い放った言葉は、誰にも聞き取られることはなく、夜の闇に溶けていった。














「ワタシは捕まらない………」

















怪盗G!

(“本当の”怪盗は、誰だ?)
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