「怪盗Gの損害賠償を、うちが…!?」



コムイは衝撃を受けた。それはもう、顔が真っ白になる程に。口を引き攣らせて顔中に冷や汗がダラダラと流れ落ちる。そんなコムイを気にせず淡々と報告書を読み上げるフェイ補佐官。



「盗品は全部で37個。どれも高額な品ばかりです。換金した質商はすでに国外へ逃亡しており、探すのは少々困難かと。プラス濡れ衣着せられ拘禁された89名の慰謝料……「それと、ハースト孤児院が一ッ生金に困んないようにすること!でなきゃエクソシストになってやらないゾ!」
「諸々ザッと合計致しますと……これくらいかと。ルベリエ長官に土下座された方がよろしいですね」
「オレは安くねェぜぇえぇボ〜〜ス」
【えげつないなぁマスター】


















「……………………パパ」
「あ?」
「仕事戻れば」



エミリアとガルマー警部は医務室に居た。正確に言えば、医務室で療養しているエミリアの元に、ガルマー警部が見舞いに来ていた。林檎を無心でショリショリとウサギ型に向いているその姿は何とも言えない。



「お前……っ、仕事すりゃ家庭家庭ってウルせぇくせに……たべろよ林檎」
「怪盗Gは“死んだ”って事でここの人と話決まったんでしょ、いつまでいるのよ」
「良いんだよ仕事は……お前の傷治るまで有給とったから「あたし、ここに入団するから。……だから、あの子の事は心配しなくていいよ」…………エ……?!」
「あたしが傍にいる!“男ができたら出てく”ってゆったでしょ〜(笑)それに、奈楠さんも居るしね!!」



笑顔で言い切ったエミリアに、ガルマー警部は思わずナイフと林檎を落とす。床にガクッと手をついたガルマー警部の肩をジジや探索部隊がポンと軽く叩いた。



「警部……Gは最後にとんでもないモノを盗んでいきました」
「「「貴方の娘です」」」by.カリオス○ロ














「エミリアァアアアアァァアアァ」
「「「ぶわっはっはっはっは!!」」」



















院長とティモシーは、外ではあるが、教団の敷地内にある海が見渡せるベンチに座っていた。夕焼けが2人を照らしている。



「マシューとエヴァの熱がやっと下がったの。これで皆もう心配ないってお医者さまも言って下さったわ」
「オレが皆を元気にしねェと承知しねえぞってビシッとかましてやったからね!」
「まぁそうなの?ビシッと?」
「うんッ、ビシ〜ッて!エクソシストって、エライんだぜっ!!見てホラ!この服も!すっごい金かかってんだよっ!」



自慢げに今までの経緯を院長にティモシーは話す。そんなティモシーの様子を、ニコニコと見守りながら院長は座っていた。



「メシも豪華で食い放題だしさ、風呂なんかメッチャでかいんだぜっ!」
「…………明日ね、ここを発つわ。新居が決まるまで、ロンドンのフェデリコ司祭の所でお世話になることになったの。安全なんですって」
「…………そっか。……それもオレがビシッとかましたからね、当たり前じゃん」























「ハナミズ出てるよせんせい」
「……そう?」
「……っで、てるよ……ずごい゛……っ、超ででる゛……っ、ぅぇ、」
「……顔洗えば、ダイジョブよ」
「……うん……ッ」



















顔を洗えばだいじょうぶ

(せんせい、)
(なぁに?)
(オレ、がんばるよ……!)
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