終盤戦


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23-1.街道上の化け物



 暴徒と化した市民たちが次々に屋敷へと流れ込む――何も知らずに面白半分に殴りこんできた馬鹿な若者も数人ほどいるようだが、大半は屋敷の中のトラップの餌食となり果てた。

 そんな中、チームを組んで行動している団体もいるようであった。賢明といえば賢明な手段ではあるが協力できない事にはまるで逆効果、という事もある。

「どこだ!? ええい、あの口の中がとろけるような肉まんはどこだ!」
「『いえーいwwwww肉屋の中にスネークしてきますたwwww』……っと」

 皆が目の色を変えて屋敷内を探索している中、呑気にカチカチと携帯を操作している男がいた。

「おいっ、何してんだ!」
「え? 知らないんスか? フェイスブックって言ってナウな若者ならみんなやって……」

 ちゃらけた男の台詞に、今しがた疑問を投げかけた男が激怒し携帯を取り上げた。

「ンな事聞いてるんじゃねえよ! 呑気にそんな事してる暇があんなら肉まんを探せっつってんだ俺ぁ」
「へいへい。わぁってますよ、真面目にしま〜す」

 へらへらと笑う男に、携帯をとりあえず返しておく。

「一体どこに隠してあるんだ」
「とりあえず肉屋内部、写真ー」

 相変わらず覇気のないその声が周囲をイラつかせるが、かっかしていては内部崩壊の不協和を招く。

 ライトをかざしながら一同背を低くしつつ屋敷内を進む。こんな世の中になったお陰なのか銃がラクに手に入るようになってしまってこの銃禁止社会の日本でも手に入れるのはラクになってしまった。一同それぞれが本物の銃を手にした興奮に苛まれながら、屋敷の中をずんずんと歩く。このようなスリリングな気分を味わえるのは生まれて初めてのことだったかもしれない――俺は今、本物の銃片手に戦場に来ている!

 気分はもう、戦場の英雄だった。

 何の英雄かは知らないが、とにかく、自分達は今百戦錬磨の戦士に違いないのだ。

「――!?」

 浸りに浸っていた気分の中、物音がその優越感を引き裂いた。一同が青ざめて拳銃を構えた。

「誰だ!」

 ライトを向けた先にいたのは――ゾンビ、ではなさそうだったが、それはそれはこの世の者とは思いがたいほどの醜い人物だった。

 でっぷりと太った身体つき、顔と首との境目がないほどにぶくぶくに膨れた顔。半開きになった唇から見える歯は隙間だらけで歯並びも悪い。落ち窪んだ目は、ライトの加減によってか瞳の奥が見えない。まるで巨大な駒を思わせる異様な太り方をしたその男は、肉屋のエプロンをしている。

「――ばっ、ばば化け物っ!」

 そう真っ先に叫んだ男は、その場に拳銃を落としてしまった。

「ウウッ……」

 エプロン姿の醜い巨漢、トゥイードルダムは何をするでもない。
 只、その場に立ち尽くすだけだ。

「ななな・何だこの化け物ォ!」

 懐中電灯を掲げた男が絶叫する。男の手が震えるせいで、懐中電灯の光がぶんぶんと忙しなく揺れた。




何かスカイプやラインのアイコン=その人の顔っていう
イメージがあるせいで、
ネット上で仲良くなった人とスカイプしてて
アイコンが男塾なんだけど実際会ってみたら
北川景子が現れたりアイコンが刃牙なのに
実物は新垣結衣ばりの美少女だったり
っていう事を二、三度は経験した。



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