終盤戦


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01-1.死霊復活祭



 有沢が止めに入ると一同の不審げな眼差しが一斉にかき集められた。そこにいる全員の視線が向けられたところで、有沢が一旦咳払いをしてから言う。

「……女性二人の姿が見当たらないんだが」
「だーからトイレにでも行ってんじゃねーのー」

 雛木が退屈そうにあくび交じりに言うが、いやまさかそんなワケがある筈もない。

「言われてみれば」

 それまでのキチガイのような取り乱しぶりとは打って変わり、ひどく冷静な声のままルーシーが呟いた。異様なまでに落ち着き払った様子でルーシーがその場から立ち上がった。

「二人とも一体どこへ行ったのかな?」

 マントについた埃を払いながらルーシーが周囲を見渡した。さっきまでの関わっちゃ駄目な人全開の様子はどこへやら、今やひどく落ち着いた様子なのが却って気色悪い程であった。

「嫌な予感がするんだ……」

 有沢が刀を鞘にしまいつつ呟くとルーシーがちらと視線を動かす。

「嫌な予感?」
「ああ。原因は分からないが……胸騒ぎがするもので。自慢じゃないが昔から当たるんだ」

 嬉しくないことに、と付け加えてから有沢が刀を腰へと戻した。

「ど、どーするんだよ」

 凛太郎が問いただすとルーシーは肩を竦めつつ言うのだった。

「仕方ありませんねえ。一旦、この件はお預けにしておきます。保留です、保留」
「えっ!?」

 言うが早いか、ルーシーはマントを翻すと交戦真っ最中の二組に向かって叫んだ。

「お〜い! おしまい、おしまーいっ。一旦やめー! やーーーめーーーっ」

 ルーシーの叫びに、当然皆何事かと視線を持ち上げた。ルーシーはその手をぱんぱんと叩きながら叫び続けた。

「緊急事態発生! ハイみんなちょっと集合〜」

 召集をかけるがすぐにそれに応じられるワケもない。

「はぁ?……何言ってんだ? アイツ」

 ミツヒロがチッと舌打ちをする。その下には真剣白刃取りで必死こいてナイフを受け止める創介がいる。

「はーやく! 集合ったら集合ですってば、これは上官の命令ですよ!」
「ふざけんなよ、今いいとこなんだよ。あとちょっとでこいつの片目がぽろんと抉れるぜ! にひひひ」
「やりたいならすればいいですけど、その場合はミツヒロ君も同じような目に遭わせますのでつまり両目ともになくなっちゃいますね?」

 ルーシーの不吉な宣言にミツヒロがげっ、と呻いてから慌てて飛び降りる。創介が肘を使いつつ何とかその場から起き上がり、着衣の乱れを直し始めた。

「あ、あっぶね……、あっぶなかったぁもう……! ったく何ちゅうガキだ、ゆとり教育の賜物だなぁ、マジで! こりゃあ文部省の生み出した最高峰の怪物だぞ」

 ぶつぶつと何やら泣き言を漏らしながら、創介が背中の汚れをやけに潔癖な仕草で払い始めた。

「チッ……何だっつうんだよ糞ルーシーが。超萎えんじゃねェか、これから盛り上がってくるって時に水差しやがって。挿入どころか前戯でお預けみたいな気分だクソめ!」

 ナイフをカチャン、としまい込むとミツヒロが立ち上がった。

「こらこら、ヒロシお兄様もですよ」

 続けざまルーシーが叫ぶが、ヒロシは珍しく感情が昂ぶっているのか攻撃の手を止める気配がない……。





好みかどうかは別にして
顔だけならイケメンだと思う我が子

・隊長(ぶっちぎりですね。
ナオさんの時美しすぎやろ、恍惚)
・ヒロシくん(眼鏡キャラは
好き嫌いありそうだけどイケメン)
・ストさん(婚活サイト登録した瞬間からもう
応募殺到するやろ)
・創介(整った顔なだけに
たまに変顔すると大いに崩れそう)
・有ぷーは目隠しだし何とも言えないは



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