中盤戦


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11-1.わが罪あやまち、限りもなけれど



「感染者、って」

 それから、凛太郎が口を開いた。

「ど……、どういう事だよ!」

 叫びながら創介がミミューの襟元を掴んだ。こんな事をしても無意味なのは承知だが、そうする事でしか沸き上がる感情を抑制する事が出来そうにもない。

「だったら何でゾンビになってねえんだよ、そんなわけある筈が……、な、なあセラ?」

 縋りつくように創介が呟くがセラは俯いたまま、何も言わない。すぐに嘘と言ってほしかった――ミミューが乱れたネクタイを直しながら続けた。

「『無症候性キャリア』……」

 ミミューがぽつりと呟いてから、セラの前に腰を降ろした。

「な、何だそれ」

 今度こそ聞き慣れない、その言葉に創介が眉根を潜める。

「病原体に感染されていながら、その症状が何らかの理由で現れない人間の事さ。だけどウイルスを体内に所持したままだから……無自覚にまた別の人間に感染させる恐れがあるね」

 そうどこか淡々と説明するミミューの台詞を、創介は何だか別世界での出来事のように聞いていた。信じたくはなかった、そんなもの……。

 ちら、とセラを見るがやはりだんまりで、否定もしなければ肯定さえしない。

「じゃあ」

 遮るかのように凛太郎が口を開いた。

「……こいつがゾンビ菌を撒き散らすかもしれないって事じゃねえかよ?」

 薄々感じつつも、決して口には出したくなかったその思いを、凛太郎はいともあっさりと口にした。決定的なその言葉にもセラはやはり顔をそむけたまま、反論どころか何も言わない。

「冗ッ談じゃねえ」

 唾でも吐き捨てるみたいにしながら、凛太郎が叫んだ。

「そんなヤツと行動を共にして来ただなんて、一体何の冗談だよ!? 笑えねえぞ、クソが! つうかふざけんなよ、マジで……」
「落ちつくんだ、凛太郎くん。今まで何とも無かったんだ。それに空気感染や血液感染もしていない事から見ると感染力はそう強くはない……」
「うるせえ! それでも俺はヤだよ、たまたま伝染らなかっただけの事かもしれねーじゃん! はっきりとした事も分かんないのにッ」

 凛太郎が大声で怒鳴り散らした。――創介はその僅かな時間の間にも考える。自分が気付いていないだけで、もしかしたらセラに何らかの形でゾンビ菌をもらっていたとしたら? そう思った瞬間にはばっとセラから離れてしまった。

 それはもう、思い切り避けていたかに思う。もし自分がされていたならば当然のようにひどく傷つくだろう……後悔した。だけどセラはそれに気付きながらも、特に何の反応も見せなかった。本当は傷ついただろう筈なのに。

「セ、セラ……」
「――出ていってくれ」

 何か言うべきか迷っていたのだが、セラはそれだけを告げた。セラは顔を俯けたまま、それ以上何も言わなかった。気付かれぬよう泣いているのかもしれない、だが……これ以上は何も話してくれそうにない。




休日が来ると大体腹痛に
襲われるんだけど何の怪現象なの?
ちなみに私の今抱えているステータス異常がすごい。
・胃痛持ち
・腹痛持ち
・魚介アレルギー
・えび・かにアレルギー
・花粉症
・膝の半月板損傷
・アレルギー性鼻炎
全ての業を背負っている気がするわ



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