05-4.渡る世間はキチばかり?
ルーシーがちょいと目配せをしてから微笑んだ。もう一度中身を見て、子どものようににっこりと破顔させる。
「それもそうですねー。じゃ、ちょっと休憩しましょっか」
ルーシーの手がぱっと修一から離れた。ミツヒロの持っていた買い物袋とレシートを受け取るとルーシーは金額の精算に行ったらしい。修一はヒリヒリと痛む箇所を擦りながら痛みを軽減させようとしている。そんな哀れな姿を見ながらミツヒロが呟く。
「……苦労すんな、あんたも」
「え? あ、ええっと……」
「――ま、俺は慣れて来たけどね。ていうかお兄さんさ、マジであれに惚れてんの?」
ミツヒロはストローを齧りながら何と呼べばいいのか考え込んでいるのであろう修一に問い詰める。
「へっ?」
修一がポカンとしながら聞き返してくるのだがミツヒロはその表情にさえ何か探りを入れるかのようにじっと見つめて来る。
「ふ〜ん、……そういう反応」
こちらが何も言っていないにもかかわらずミツヒロは何やら一人で勝手に納得し始めてしまうのだからいよいよ訳が分からない。
「……ま、せいぜい頑張ってよね。俺はどうやら眼中にも入れてもらえなかったしね、そういう対象としちゃ」
「?、??、 ???……あ、あの、き、君……そのー、一体何の……というか君の名前って」
「ミツヒロ。あんたの弟に本気で惚れてた野郎の一人さ」
躊躇う事なく、ミツヒロが真っ直ぐにそう言った。
そのあまりにも迷いなく言い放つ姿勢に修一がごくんと唾を一つ飲んだ。
惚れてた、というのは、その――師匠への憧れあるいは尊敬の念だとか……いわゆるラブの方じゃなくてライクの方? いや、古いかこの言い方……考え込む修一の事などは構う事なしにミツヒロはひと呼吸置いてから、再びのように言った。
「……、あいつの為なら、俺は死ねるぞ。命なんか惜しくない。でも、離れ離れになるのはイヤだ。どうせ死ぬのならあいつに殺されたい、それか死んだあとも離れることがないようにしてほしい。……そんで俺の身体ごと全部、食ってもらいたい」
「え――?」
きょとんとする修一をよそに、ミツヒロは大きく息をした。
目を閉じ、何か物思いにでも耽るかのように静かに瞑想しているみたいだった。やがてミツヒロがうっすらと両目を開けてから肩を竦めて言った。
「すまねーな、なにぶん国語は得意じゃねえんだよ。難しい事は言えねえや。ま、そのへんは許してよ」
「え、あ……いや」
「つうか勉強全般が苦手なんだけどな、俺の場合」
いやはや、今のは国語力云々以前の問題発言だったろうに――眉根を潜めた修一の表情には一切触れはせずにミツヒロはふっと背を向けた。
ツクールシリーズの一つ、
3D格闘ツクールで
結構自由にモーションつけられるんだけど
その超人みたいな動きばかり集めた動画見て吹いた。
これはこれですっげぇ面白そうなゲームに見えてくる。
色々と未来を先取りしちゃったんだな……