My sunshine.
(イタチ)


見えない、見たくない、見るべきじゃない。


「**、」

私はその声のする方だけを向いて、目を開けた。
今の私の視界には、彼しか見えない。

「どう…して、」
「いつも、なにかあるとここに居るだろう?**は」

陽が落ちて、もう寒くなるから早く帰ろう、そう言いながら彼は私の腕を引く。ついさっきまで物凄く悩み、怒りに満ち溢れていたはずなのに彼に手を引かれただけでそんな気持ちはもうどこかへ飛んでしまっていた。
あれ、今まで私は何について悩んでいたんだっけ。

「また、なにかあったのか?」
「すごく…嫌なことが、あった気がするんだけど」
「ああ」
「でも、イタチが隣に居てくれたら、それだけで全部忘れちゃった。もう、いいの。」
「…そうか」

差し出された指に指を絡めて、帰路を歩く。
嬉しさなのか悲しさなのかも分からない涙が零れ落ちそうになって慌てて上を向いた先には、一番星が光っていた。

「ねえ、」
「どうした?」
「私、イタチと一緒にいられて幸せだよ。」
「…」

奇遇だな、

「俺もだ。」


Your my sunshine.


20131126


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