君といるだけで


ほのぼの
アキ様へ 4200Hit記念



君は私の大好きな人。



アカデミーが終わり、いつもの待ち合わせ場所である桜の木の下のベンチに1人腰かける。
その少女、○○はイタチが校舎から出てくるのをいつもこうして待っているのだが、どういう訳か彼はなかなか現れず、彼女はそれだけで憂鬱になり、溜め息をつく。それと言うのも、今日のアカデミーでイタチと○○が付き合っていることを知り、○○に嫉妬した女子生徒に「あなたとイタチは不釣り合いだ」と大声で言い放たれたことが原因で、彼女は酷く落ち込んでいた。

やはり、自分とイタチは釣り合わない。

さっきからそんな余計な考えばかりが脳裏をよぎる。その内、○○は1人で悩みすぎてとうとう泣き出してしまった。

「…○○…?」
「イタチ…?」
「どうした?なんで泣いている?」
「イタチと私は…釣り合わないのかなぁって…」

○○の言葉を聞いて、イタチは彼女の涙を自分の服の袖で拭ってやり、頭を優しく撫でた。

「そんなこと、考えなくていい。○○は俺が嫌いか?」
「ううん、好きだよ。」
「なら、それで良い。釣り合う釣り合わないなどと…そんなのは気にせずとも、現に俺達はこうして付き合っているだろう?」
「…うん。ありがとう、イタチ」

イタチの台詞を聞いて笑顔を取り戻した○○は、ベンチから元気に立ち上がり、空を見上げる。
不思議と、彼からもらった言葉はすんなりと心に溶け込んだ。

「あっ、一番星見つけた!」
「もうすぐ暗くなるな…○○、もう帰るぞ。」
「うん。」

そして沈んでいく夕陽に照らされながら、手を繋いで仲良く歩き出す2人。

釣り合うか釣り合わないかなんて関係ない、全部自分達が決めること。
○○はいつまでもイタチと一緒にいられますようにと、一番星にこっそり願った。




(それだけで、幸せになれるよ。)


2009.1/15
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thank you!! :)



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