素直になれない俺の、

2012/04/02 10:03






「ハッキリ言うけど俺、お前の事大嫌いだから」

そう俺は素っ気なく目の前に居る男、天上院吹雪に言い放つ

「いっつもベタベタベタベタ鬱陶しいんだよね」

冷たく、煩わしい物を見るような視線を向ける

「だからさ、もう俺には構うな」

吹雪は終始無言で俺の話を聞いていた

表情1つ変えずに、ただ俺を見詰めるだけ


暫しの静寂、お互いに見詰め合うだけ
それ以外の動きは無い


今は朝だから人は少ないけれど、もしも他人に見られていたらかなり可笑しな状況だろうな、と考えていたら突然吹雪が笑みを浮かべ

「うん、知ってるよ」


と答えた


予想外の返答だった
普段の吹雪は毎日新聞飽きもせず俺に抱き付いて来ては「好き」だの「愛してる」だの言って来る様な奴だ

そんな奴が「大嫌い」と言われて「知ってる」と答えるなんて思ってもいなかった


冷めた表情は変えずに内心動揺していたら
吹雪がこちらに歩み寄りながら


「だって今日は4月1日、エイプリルフールだもんね」

と言い放ち、気付いた時には唇が塞がれていた

俺の唇を塞ぐ吹雪の表情は余裕に溢れていて、ゆっくり唇を離すと


「…にしても、素直じゃないなぁ藤原は、僕の事大好きならもっと素直に言えばいいのに」


と悪戯っぽく笑った


悔しい、見抜かれていた


顔に貼り付けていた冷めた表情は剥がれ落ち、代わりに一気に熱が集中するのがわかる

多分今俺の顔は驚く程赤い、こんな顔、吹雪以外の誰にも見られたく無いから

と自分につく言い訳探し吹雪に抱き付きその胸に顔を埋め


「クソ…、演技には自信あったのに…吹雪の馬鹿…やっぱ嫌いだ…」

そう言い放つ


「ふふ、藤原の気持ちだもの見抜けない筈無いじゃないか」


そう言って優しく俺を抱き締めた吹雪は、あたたかくてやさしい香りがした




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久々に小説をば
朝に妄想して「このテンションなら小説書けるんじゃね」って書いたら意外に書けた四月馬鹿ネタ吹藤







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