転職の道

某所、薄暗い部屋の中で抱き合う二人。恋人でもないのに、それは秘密の関係。


『…………ん〜、意味不明…。』


「先生、ちゃんと書いて下さい。」


後ろから彼女を包み込むのは担当者である久保田悠輔、そして抵抗する事なくされるままの名字名前は小説家。


『だったら離れて下さい、書きずらいんですから…。』


「でも、書いてくれないと私も帰れません。あなたもですよ、先生!」


『…うっ!?ひゃあ!?』



うなじにチョロッと這わせた舌が次第に彼女の首筋を這う。


『んっ、やだぁ…。止めて久保田さん…。』



「本当に嫌なんですか?ならここは、どうして…。」



『………それは…。』



彼の手は名前の服の中へ。座っていた椅子をクルッと回し、悠輔は妖艶な表情で名前を見る。



「ペンネーム先生、今日は一本だけ書いてくれたらいいですから。」


『…はい、分かってまっ!?』



「んっ、良い子ですね。ご褒美はあとで。」


突然のキスに真っ赤になり、名前はパソコンに向かい手を動かすしかなかった。

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