恋心の先(1/10)
菜々緒という女性に呼ばれて愛は近所のカフェ「ハワイアン」の入り口にいる。名前の通りハワイのようなお店で苦手な彼女は意を決して入いり下を向き顔を隠した。
「いらっしゃいませ、お一人ですか?」
『いいえ、待ち合わせをしてまして…。』
副店長の女性がどうぞとそくすとひとりの女性が声をかける。そこには待ち合わせの菜々緒がおりホッとし愛は手を降って同じテーブルへ。
「烏丸君、来たわよ。」
「は、遥さん!?」
「ほら、注文とってきて。」
恥ずかしそうな彼は烏丸大輔、店員の1人でなにやら愛に恋心を持っているらしい。
そんな彼にどうせならと遥が気を利かせた。
「いらっしゃいませ、ご、ご注文は…。おきっ。」
『あっ…。』
「オレンジジュース。」
「え!?」
答えたのは菜々緒で苦笑いした大輔は畏まりましたと一礼し去って行った。
「ふふんっ、さっきの彼、可愛かったわね。」
『菜々緒さん、男性に可愛いはどうでしょうか…。』
「え〜、いいじゃない(笑)それより、この間の撮影。大変だったでしょう?」
『まぁ…、深夜までかかりましたからね。』
和気あいあいと話す2人の間に人の手が現れ内心、愛は驚い大輔はごゆっくりと再び声をかける。戻った彼に遥がどうだった?と訊ねると新しい情報が入ったのかちょっと嬉しいような雰囲気を醸し出していた。
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