04
銀時を訪れ一年。手に抱いた温もりは小さかった。高杉と銀時、両方の特徴を受け継いだ子が二人。当初は一人だけの予定だったが、直前になって二人にした。銀時との繋がりを手元に置きたいと思ったのと、自分も育てたくなったのだ。欲しいだけじゃなく、育てたい。そう思い子供は二人になった。
横抱きでは二人同時に抱けないのが可哀想だが、すぐに銀時に会いには行けない。高杉が交互に抱いてやっている。
正直、我が子がここまで可愛いとは思わなかった。腕に抱いた瞬間、その温もりと重みに感動した。まだ銀時に承認されていない子ではあるが、銀時との繋がりを確かに感じた。いとおしくて、大切にしたいと思う。この感情は銀時に対し抱くものと似ている。
名前は片方は銀時につけさせると決めていた。誰がどちらをとは決めていなかったが、白い髪の子を見て高杉に一つの字が浮かんだ。“雪”。銀時を思わせるものだ。恥ずかしくてとても口には出来ないが、自分の幸せな記憶にはいつも銀時が存在している。だからその銀時を思わせる『雪』の名をあげたい。幸せになって欲しい。

「……よし、おめーの名前は雪路だ。坊は少し待てよ。銀時につけてもらうからよ」

雪路と名付けた子は、銀時の髪に高杉の瞳と顔で、取り戻したい彼を思わせるほんわかとした笑顔を浮かべた。




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