2 「………で?またシノにフラれた訳?」 「フラれてねぇしッ!!あいつ展覧会に出すから忙しいの!」 「だからフラれたんだろ」 「ちーがーう!俺がいいっつったんだよッ」 昼前、ファミレスにて。 昨日付き合ってくれるという約束通り、俺は旭を外に引っ張り出していた。 家も歩いて10分くらいの距離にあるから、朝から家まで迎えに言って、ここでちょっと早い昼飯をとる。 「あいつはあいつでがんばってるから、邪魔したくねーだろ」 「ふーん、それでドタキャンされても許す、と」 「ちゃんと前日に連絡きたからドタキャンじゃねえの!」 「はいはい」 ブスッとしたままドリンクバーのペプシのストローをガジガジ噛む。 俺がシノと約束してたこともダメになったことも、旭には話してないのに。 旭曰く、「お前が俺にべったりしてくるのはシノにフラれたときか奢ってほしいときだけ」…らしい。 そんなつもりなかったんだけど……俺めちゃ嫌な奴じゃん。 まあ奢ってほしいときは意図的だけどな! 「今日はどこ行くんだ?」 「買い物!アウトレットいこーぜ」 「お前と服の趣味が……」 ぐだぐだいう旭をおいて先にファミレスを出る。因みに金払ってない。5分ほど遅れて、財布を握りしめ不機嫌な様子の旭ににやにや。 「ごちになりまーす」 「おまえな………」 人通りが多い道の前なので殴られることはなかった。作戦成功。 そして今から旭には俺の荷物持ちになってもらいますよ、ご愁傷様。 <<||back||>> |