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「んん゙………」


布団の中、暑すぎて死んじゃいそう………
足で布団を蹴飛ばして、時計を見ると3時すぎ。
もうすぐ学校が終わる時間。
実は、もう3日も学校を休んでいる。

「はー…………」


合コンに行った日、あのあと熱を測ってみたら37度8分だった。
熱があるって分かったら急に体が怠くなって、安ちゃんが帰るとすぐに布団に包まった。

今朝も熱を測ると38度4分。そろそろ下がるかなあー……と思ってたのに、上がってしまったよ。


熱の時ってすっごく暇じゃない?
かーさんも仕事行っちゃったし、家には俺一人。


なにげなくケータイをポチポチ触ってたら、ピロン、とメールがきた。
そこにはどっかで聞いたよぉな…と思う女の子の名前。

どこだったか、と考えるとカラオケにいた女の子の名前に似てるかも。
メールボックスを開くと、案の定の女の子からのメールだ。しようと思ってたんだけど、忘れてたあ……


「ふふ、ほんとー優しい子だあ」


風邪大丈夫?と、困っているような絵文字がついている。
そのしたには、「ゆっくり休んで完治させてください。そしたらよかったらまたいっしょに遊ぼうね!」と、可愛らしいデコメで彩られていた。


「この前、は…ごめん、ね……っと」

決まり文句ともとれる言葉を並べていくけれど、別にめんどくさいなぁー…とかそんな感情でじゃない。おそらく一番喜んでもらえるだろう言葉を選んだだけだよ。


俺は元々、女の子が好きだ。とーやのことはそれはそれは別格に愛してはいたけど、それまでは彼女も何人か作ったし、おねーさんとデートしたりもした。

だから、安ちゃんの気遣いを無下にしないためにも、早く彼女をつくりたいって思ってるんだよ。


ただ、


「…ときめかない、んだけどなぁ……」


昔の俺からしたら大問題だよぉ?だって合コンのあの子、本当に昔の俺の好みドンピシャ。
なのに、今は可愛いなあと感じても恋愛感情は全く感じない。



「とーやのせいだ……」

とーやと付き合ってから、俺は変わってしまった。
なによりもとーやの隣にいることが楽しくて、ふわふわしてた。



今は、見かけるのも辛い。
最近、前まで俺の居場所だった右ポジションに違う子がいるのを目にすることが多くなってしまった。





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